2024年度 主日礼拝 説教抄録  
    
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            聖霊降臨節第23主日礼拝  説教要約

                    日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                    
2024年10月20日


          聖書  ルカによる福音書 7章36~50節
  

36 さて、あるファリサイ派の人が、一緒に食事をしてほしいと願ったので、イエスはその家に入って食事の席
  に着かれた。


37 この町に一人の罪深い女がいた。イエスがファリサイ派の人の家に入って食事の席に着いておられるのを知
  り香油の入った石膏の壺を持って来て、


38 後ろからイエスの足もとに近寄り、泣きながらその足を涙でぬらし始め、自分の髪の毛でぬぐい、イエスの
  足に接吻して香油を塗った。

39 イエスを招待したファリサイ派の人はこれを見て、「この人がもし預言者なら、自分に触れている女がだれ
  でどんな人か分かるはずだ。罪深い女なのに」と思った。

40 そこで、イエスがその人に向かって、「シモン、あなたに言いたいことがある」と言われると、シモンは、
  「先生、おっしゃってください」と言った。

41 イエスはお話しになった。
  「ある金貸しから、二人の人が金を借りていた。一人は五百デナリオン、もう一人は五十デナリオンである。

42 二人には返す金がなかったので、金貸しは両方の借金を帳消しにしてやった。二人のうち、どちらが多く
  その金貸しを愛するだろうか。」

43 シモンは、「帳消しにしてもらった額の多い方だと思います」と答えた。
  イエスは、「そのとおりだ」と言われた。

44 そして、女の方を振り向いて、シモンに言われた。
  「この人を見ないか。わたしがあなたの家に入ったとき、あなたは足を洗う水もくれなかったが、この人は
   涙でわたしの足をぬらし、髪の毛でぬぐってくれた。

45 あなたはわたしに接吻の挨拶もしなかったが、この人はわたしが入って来てから、わたしの足に接吻して
  やまなかった。

46 あなたは頭にオリーブ油を塗ってくれなかったが、この人は足に香油を塗ってくれた。

47 だから、言っておく。この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。
  赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」

48 そして、イエスは女に、「あなたの罪は赦された」と言われた。

49 同席の人たちは、「罪まで赦すこの人は、いったい何者だろう」と考え始めた。

50 イエスは女に、「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と言われた。







              説教「大きな愛」 要約      

                          三原 信惠 牧師

① マルチン・ニーメラーの説教
 今から56年前、1968年の出来事です。マルチン・二―メラ―が日本にやってまいりました。彼は第2次世界大戦時、ドイツ教会闘争を展開した告白教会の指導者で、ヒットラーと戦い、1938年に逮捕されて、8年間もの間、ダッハウの強制収容所での生活を余儀なくされました。そのニ―メラ―が関西学院大学で説教をなさるというのです。当時、私は新婚ホヤホヤ。夫は関西学院大学から、そう遠くない教会の伝道師をしていました。勿論、夫と私は二―メラ―を通して、ヒットラーのもと、ドイツ教会闘争、あるいは、ダッハウでの厳しい強制収容所生活の話が聞けるだろうことを期待して関西学院大学に行きました。大講堂に集まった他の方々も、同じような期待をもって集まった方々も多かっただろうと思います。けれども、ニ―メラ―は、私たちの期待に反して、苦しかった自らの体験には殆ど触れませんでした。その代わりに、戦後、まもなく見た、という「夢の話」をして下さいました。こんな夢です。ニ―メラ―の前に「黒い雲」が、突然、現れてきました。
② 「黒い雲」と「黄金の雲」
 その「黒い雲」に続いて、もう一方から「黄金の雲」が現れてきて、彼の目の前で、「黒い雲」と「黄金の雲」が出会いました。その時「黒い雲」の中から忘れもしないあのアドルフ・ヒットラーの声がしたと言うのです。「主よ、お赦しください」と。すると「黄金の雲」の中から神様の声が聞こえました。「お前は、なぜ、あのようなことをしたのか」。ヒットラーは「お許しください。私は、あなたの福音を知りませんでした。誰も私に教えてくれなかったのです。福音を私は一度も聞いたことがないのです。全く、福音を知りませんでした」と。夢から覚めた時二―メラ―は、びっしょり汗をかいていました。今まで気づかずにいた自らの大きな罪を指摘され、汗まみれになっていました。そして彼の内に深く迫ってきたのは、ヒットラーの大罪は、私たちクリスチャンの罪だったということでした。熱心に伝道しなかった罪のゆえに、あのような悲劇が歴史の中に起こってしまったのだ。そう彼は深く悔い改めて懺悔し、全世界に出て行って福音を宣べ伝える牧師になったそうです。
③ 大きな愛
 今日のお話しに出てくる女の人は、皆から「神様の約束を守らないダメな人だ」「罪人であるから、一緒に食事なんかしたくない」と言われ、嫌われていました。イエス様があるお家で食事をしている時、その女の人はイエス様の足を自分の涙でぬらし髪の毛でその足をぬぐって高価な香油を塗りました。その女の人に向かってイエス様は、「あなたの罪はゆるされたよ」と言いました。どんな人でも、嘘をついたり悪い事をしてしまったりします。そんな時、神様に、「ごめんなさい。今日こんな事をして、その人を傷つけてしまいました。もうそんな事をしないように力づけて下さい。明日その人に『ごめんなさい』を言えますように」と神様にお話ししましょう。神様は私たちをゆるし、励まして下さいます。神様の恵みに応えて、互いを受け入れ、共に愛の業に生きる時、神様の平安があります。

(祈り)我らの主にして、すべてを支配したもう全能の神さま!
どうか私たちの耳を開いて、御霊が私たちに告げる課題と使命とを聞き取らせて下さい。
どうか私たちの目を開いて、あなたの御子イエス・キリストの福音を聞こうと待っている人々を見出させて下さい。私たちの足を、その人たちに向けさせ、私たちの口を開かせてあなたのご支配について、
御子イエス・キリストについて語らせて下さい。 我らの主イエス・キリストによって  アーメン

〒253-0006 神奈川県茅ケ崎市堤19-6
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日本キリスト教団  茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2024. 10. 17  by mn

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