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聖霊降臨節第20主日礼拝 説教要約
日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
2024年9月29日
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聖書 マタイによる福音書 22章1~10節
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1 イエスは、また、たとえを用いて語られた。
2 「天の国は、ある王が王子のために婚宴を催したのに似ている。
3 王は家来たちを送り、婚宴に招いておいた人々を呼ばせたが、来ようとしなかった。
4 そこでまた、次のように言って、別の家来たちを使いに出した。
『招いておいた人々にこう言いなさい。「食事の用意が整いました。牛や肥えた家畜を屠って、すっかり用意が
できています。さあ、婚宴においでください。」』
5 しかし、人々はそれを無視し、一人は畑に、一人は商売に出かけ、
6 また、他の人々は王の家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。
7 そこで、王は怒り、軍隊を送って、この人殺しどもを滅ぼし、その町を焼き払った。
8 そして、家来たちに言った。『婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった。
9 だから、町の大通りに出て、見かけた者はだれでも婚宴に連れて来なさい。』
10 そこで、家来たちは通りに出て行き、見かけた人は善人も悪人も皆集めて来たので、婚宴は客でいっぱいに
なった。
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説教「天の国のたとえ」 要約
三原 信惠 牧師
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① 婚宴のたとえ |
当時は冷蔵庫も電子レンジもないので宴会は招待状を出して、参加の返事のあった人に、料理ができると「さあ、おいでください」と召使が案内に走りました。ところが、「参加します」とお返事をした人々が次々とドタキャンをして、王子の婚宴は空席だらけになりました。そこで、王は町の大通りから誰かれなく連れて来て婚宴の席を一杯にしました。ところがその中に礼服を着ていない人が一人いたので王は起こって外に放り出しなさいと言います。それは無体な、大通りから無理やり連れられて来たのだから平服のままで当然ですと思いますか? 当時の習慣では礼服は宴会場の入り口に積まれているのが常でした。ということはその人は、意図的に王子の婚宴に平服で出たということになります。「礼服」はマハラツォートで、着ていたものをハラツ「脱ぐ」が語源です。過去のことや敵対心を捨て参列する意思表明です。この人は過去を捨てることができませんでした。「招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない」は、王の御用に選ばれる人は少ないという意味です。
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② 婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった(8節)
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ここに記された「王の婚宴のたとえ話」は、元来二つあったものを一つにしたと言われています。一つは、当時のユダヤ人に対する警告。せっかく神がイエス・キリストをつかわされたのに、人類の中で最初に招待を受け愛されているユダヤ人が、それを受け入れようとせず、預言者の言葉に耳を傾けず、ただ自分のことだけ考えて、畑に行ったり商売に行ったりしているのに対して、神の怒りがどんなに大きいかをイエス様は語られたものです。もう一つは王が、「食事の用意ができました」と言い、また「牛や肥えた家畜」(4節)とあり、この牛は王が大事に育てた牛です。本当に自分の最善のものを持って婚宴を催したのですから「さあ、おいでください」と招待したということです。私たちもこれを読むと、それほどまでにされたら招待を受けねばならないと思う。私たちは、神がそういった食事を整えられた集会に対して、何を犠牲にしているか。人と会う約束があるとか何とか言って、神が備えて下さる饗宴としての集会に出席しないことが多い。昔も今も変わらないと思う。
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③ 天の国のたとえ
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イエス様がこのたとえを語られた当時、ユダヤ人たちはローマの支配下にあっても「神の民」として誇りを持ち続けていましたが、ユダヤ人のリーダーたちは民を間違った方向へと導いていたため、イエス様はリーダーたちを批判しました。リーダーたちは「天の国」には神様に選ばれた「神の民」しか招かれないと教えていました。それに対して、イエス様はこのたとえを通して、この王の催した婚宴のようにすべての人たちが「天の国」に招かれていることを伝えました。「天の国」は、このたとえに出てくる、いい人も悪い人も招かれたパーティーのようだとイエス様は語られました。神様は全ての人たちを天の国に招いて下さっています。でも私たちは神様の声に気づけなかったり、その声を知らんぷりしてしまうことがあります。それでも神様は諦めず、声をかけて下さっています。なお、このたとえを通して伝える「天の国」は、預言者イザヤが伝えた世界のことです。それは、平和、シャロームが完全に実現した世界です。人間は何度も悲劇を繰り返しては、悔い改めて天の国に近づこうとしました。しかし残念なことに、未だ到達することが出来ていません。それでも諦めずに「天の国」に近づこうとする努力が、今まさにこの世界にある私たちに求められています。
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