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聖霊降臨節第12主日礼拝 (平和聖日) 説教要約
日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
2024年8月4日
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聖書 マタイによる福音書 16章15~19節
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15 イエスが言われた。
「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」
16 シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。
17 すると、イエスはお答えになった。
「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、
人間ではなく、わたしの天の父なのだ。
18 わたしも言っておく。
あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。
陰府の力もこれに対抗できない。
19 わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。
あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。
あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」
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説教「岩の上の教会」 要約
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① シモンが「ペトロ」と呼ばれる
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8月のテーマは「はっきり言っておく」。「この言葉の後に続く事柄はとても大切なことですよ。だからよく聞いて下さいね」という意味を持っています。東南アジアのタイでは、ニックネームで呼び合うのが一般的です。たとえば、「ノック」(タイ語で「鳥」の意)や、「スッパープ」(タイ語で「親切な」の意)と呼ばれる人たちがいます。では、シモンはなぜ「ぺトロ」と呼ばれるようになったのでしょうか。聖書のどこにも記されていないので、「頑丈な体だったから」と、後の人々は想像を膨らませてきました。勿論、結論は出ていません。今朝の箇所はペトロが「イエス様こそ私の救い主です」と返答するところにハイライトが当たっていますが、今月のテーマ、「はっきり言っておく」と照らし合わせると、もう少し後の言葉にも光が当たってきます。イエス様は「わたしも言っておく」(18節)とあえて言い直してから「この岩の上にわたしの教会を建てる」と言われます。故に、シモンがペトロと呼ばれるのです。
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② ペトロ、信仰を言い表す
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イエス様はフィリポ・カイサリア地方に行かれた時、一緒にいた弟子たちに、「この地域の人々は、人の子(=イエス)のことを何者だと言っているか」とお尋ねになりました。弟子たちは「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。他に、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます」(14節)と、周囲で言われていることを答えますが、イエス様はその答えでは満足されません。「それでは、あなたがたは私を何者だと言うのか」(15節)と重ねて質問します。それに対するペトロの答えは「あなたはメシア、生ける神の子です」(16節)。「メシア」とはヘブライ語で「油を注がれた者」(=「救い主」という意味で、ギリシャ語に翻訳すると「キリスト」となります。ペトロはイエス様こそこの世の救い主であるという信仰を告白しました。イエス様はその答えに満足され、ペトロが信仰を告白できるのは、神様がその事実をあなたに示して下さったからだと言われます(17節)。ここで「バルヨナ」とは「ヨハネの子」という言葉がなまったものです。
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③ 岩の上の教会 |
イエス様から「あなたは岩です。だから、あなたの岩の上に私の教会を建てよう」と言われたペトロ。「僕が岩?」「僕が石頭だからかな?」「体が頑丈だからかな?」って困っているペトロにイエス様は優しくおっしゃいました。「違う、違う。あなたは先程、私のことを『救い主』だと答えてくれました。周りの人たちが何を言おうと、一番大切な事をシッカリと答えてくれました。そのあなたの気持ちの上に、私は教会を建てようと言ったのです。そして、まだ私のことを知らない人たちにその大切なことを伝えてほしいと思ったのです」。ペトロは、この出来事をずっと忘れることはありませんでした。こうして、最初の教会ができていきました。大切な気持ちが受け継がれ、教会の数はどんどん増えていきました。それは皆さんが今、集まっているこの教会も同じです。皆さんの周りにいる大人たち、そのまた先輩の大人たち一人ひとりが、「イエス様は私の救い主」と信じて集められ、堅い思い、篤い思いを持って教会を建てていきました。教会は今も、「イエス様は私の救い主」という大切なメッセージを伝えるために、ここにもずっと建てられ続けています。
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