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降誕節第7主日礼拝 説教「あなたに平和があるように」
日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
2024年2月11日
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聖書 ヨハネの手紙(三)13~15節
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13 あなたに書くことはまだいろいろありますが、
インクとペンで書こうとは思いません。
14 それよりも、近いうちにお目にかかって
親しく話し合いたいものです。
15 あなたに平和があるように。
友人たちがよろしくと言っています。そちらの
友人一人一人に、よろしく伝えてください。
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説教「あなたに平和があるように」 要約
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① ヨハネの手紙 |
「ヨハネの手紙Ⅰ」には差出人の名前も受取人の名前もなく、ただ「愛する者たち」と呼びかけています。「Ⅱ」の手紙は、ある婦人とその子供たちに宛てられていて、「互いに愛し合おう」という交わりのすすめです。「Ⅲ」はガイオという教会内の指導者の一人に宛てられた手紙です。当時の人たちは「パピルス」といって、草を細く裂いたものをぎゅっとくっつけたものを使って手紙を書きました。今朝の「ヨハネの手紙Ⅲ」はパピルスちょうど一枚におさまるように書かれています。高いお金を払って手に入れたパピルスを無駄にしないようにしているのです。しかも字を読んだり書いたりできる人は少なかったので、パピルスを手に入れたら今度は自分の代わりに手紙を書いてくれる人の所へ持って行かないといけません。このように苦労して書いた「ヨハネの手紙Ⅲ」の最後には「あなたに平和があるように」(15節)と書かれています。「平和」とは、第一に神様との平和です。この平和こそが、他の人と私の平和を生み出していくと書いています。 |
② 「ヨハネの手紙Ⅲ」の内容 |
Ⅲの手紙は当時、生まれたばかりの幾つかの教会を指導する立場にいた「長老ヨハネ」から、
その中の一つの教会にいたガイオという人に宛てられていますが、この人については何も知られていません。教会内の指導者の一人だったのでしょう。内容は巡回伝道者を受け入れ世話を見てほしいという事と教会内の和についての指導です。教会は問題を持った人(ディオトレフェス)もいたし、模範的な人(デメトリオ)もいました。歴史の浅い初代教会にあっては、教会の形成はたやすいことではありません。ディオトレフェスは、自分の思いどおりに支配しようとして、ヨハネを始め、よその教会の人々を受け入れず、受け入れようとする人を教会から追い出しもしていたのです。そんな中、ガイオは自分の思いではなく、「真理を中心」に歩んでいました。だから、どこの人をも、自分と同じく、神様に赦され、愛されている人として受け入れていました。ヨハネは、ガイオが今までのようにこれからも、真理に固く立って歩んでほしいと願っています。 |
③ あなたに平和があるように |
ガイオは、イエス様が大好きです。イエス様が自分の身代わりに死んで下さったおかげで罪が赦され、救われたことを感謝していました。それで、同じくイエス様に救われた人たちが集う教会のために喜んで働いていました。ガイオの教会には時々巡回伝道者が来てイエス様の話をして下さいます。ガイオは皆と一緒に聞くのが楽しみで、喜んで迎えてはおもてなしし、彼らの次の教会迄の旅に必要なものを用意して、送り出していました。ディオトレフェスは、自分の都合の良し悪しで人を受け入れるか否かを決めます。でも、ガイオは、イエス様に招かれている人ならば、誰でも受け入れようとします。「この人のためにもイエス様は十字架にお掛かり下さったのだ」と思うと、たとえあまり好きにはなれないような人でも、受け入れようと思うのです。そして、イエス様のもとで一緒に生きようとするようになるのです。神様は自分を愛して下さるのと同じように、この人をも愛して下さることを知っているからです。ヨハネは、ガイオが、ディオトレフェスのことなど何も気にせずに、これからも、今のように歩んで行けと励ますために手紙を書きました。この手紙の最後には、「あなたに会いたい」「神様の平和があるようにお祈りしているよ」と書かれています。このメッセージを、私たちも私たちの周りにいる人たちに届けましょう!
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