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降誕節第4主日礼拝 説教「苦しい時のお祈り」
日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
2024年1月21日
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聖書 ヤコブの手紙 第5章13~16節
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「苦しい時のお祈り」 要約
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① あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい(13節) |
神様を信じていても、困ることや苦しいことがやってきます。ヤコブは、苦しんでいる人や病気の人に祈りを勧めています。苦難の中にある人にヤコブが勧めている祈りは、「自分で祈ること」と「教会の人に祈ってもらうこと」です。「祈りなさい」(13節)とは、一度だけ祈ることではなく、継続的に祈ることを表しています。イエス様がお語りになった「しつように頼む友達」(ルカ11:8)のように継続的に祈ることを表しています。苦しみが解決して喜ばしい時には、「讃美の歌を歌いなさい」(13節)と教えられています。これも一時的なことではなく、持続的なことです。14節でヤコブは、「病気の人」に対して、「教会の長老」に祈ってもらうことを勧めています。「長老」は、教会の中で指導的な役割を担う人です。プロテスタント教会では、「牧師や伝道師」、また「教会役員や教会養育の担当者たち」と言えるでしょう。強調されているのは、「信仰に基づく祈り」(15節)です。「信仰に基づく祈り」とは、隣人を自分自身のように愛する人の祈りです。 |
② 正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします (16節) |
「苦し時の神頼み」という言葉があります。普段、神様を拝まない人が何か災難や困難に直面した時だけ神様の助けを求めて祈ることです。その言葉は「いつも神様に頼っていないのに、こんな時だけ」というふうに否定的に使われます。勿論いつも神様に寄り頼み、祈っているに越したことはありませんが、そうでないとしても祈って良いのだとヤコブは勧めます。「苦しい時の神頼み」でも良いから、苦しい時は神様の助けを求めて祈りなさい」とヤコブは教えます。私たちの信じる神様は私たちが苦しい時に、そっぽを向かれるお方ではありません。自分の力ではどうしようもならない時、神様の助けを求めないで何に助けてもらうのでしょうか。自分で祈ることに併せて「祈ってもらうこと」も勧められています。「自分のために、祈ってくれる人がいる」と思えるだけで、自分は孤独ではないと実感することができます。更に、「正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします」(16節)と言われていますから、どんなに心強いことでしょう。 |
③ 苦しい時のお祈り |
お祈りしたり、してもらったりして、すぐに解決すこともあるでしょう。その一方で、なかなか解決しないということもあります。その場合は、神様がお祈りを聞いて下さっていないのではありません。もう少し経ってから解決なさるのかもしれません。また、神様に別のご計画があって、それのために解決しないということもあります。だから、お祈りをしたり、お祈りをしてもらったりして無駄だった、とは考えないでほしい思います。困ったことがあったら、とにかくお祈りするようにしましょう。今朝のテキストは、癒しを求める祈りの効果を伝えていますが、現実問題として、治らない病気もあることをわきまえておく必要があります。パウロは、体の「とげ」が癒されるように祈りましたが、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」(Ⅱコリント12:9)と主の返答がありました。そこでパウロは弱さを誇る生き方をするように導かれました。ヤコブは、「互いのために祈りなさい」(16節)と勧めています。私は今、ここに座しておられる皆様お一人お一人に、深く頭を下げてお願い申し上げます。どうか、ご自分のためだけでなく、苦しんでいる仲間のために、祈れる者とおなりください!
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