主日礼拝 説教抄録  2023年度
    
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     降誕節第1主日礼拝  説教「飼葉おけに至る二つの道」

                 日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
  2023年12月31日


聖書  マタイによる福音書 2章1~11節

「飼葉おけに至る二つの道」 要約
「飼葉おけ」のしるし
 キリストは私たちの痛みをいやし、すべての問題を解決し、破れはてた現実を修繕するために来られました。それは天使が告げたように『すべての民に与えられる大きな喜び』に違いありませんが、布にくるまって飼葉おけに眠る赤ん坊が『あなたがたに与えられるしるしである』とはどういうことでしょう。この貧しさや弱さが、どうして神の力と愛の「しるし」といえるのでしょうか。あまりに頼りない「しるし」で、とても「証拠」とも思えません。この「飼葉おけ」をキリストの全生涯と切り離してはなりません。なぜなら、それは神のみ旨であるからです。キリストにとっては飼葉おけで誕生することも、流浪の生活を送ることも、人々の嘲りも、十字架の死も、すべてが神のみ旨でした。キリストがすべての人を救い、真の命を与えるために人間の姿になられた時、その地上の生涯は飼葉おけに誕生することと、十字架上に死ぬことを抜くわけにはいきませんでした。神はこの「飼葉おけ」と「十字架」に、その愛と勝利を宣言されるのです。           
② 「天使の歌」と「輝く星」
 飼葉おけに行きつくには二つの道がありました。一つの道は、「天使の歌」に感激して羊飼いがかけつけた道です。そして、もう一つの道は、「輝く星」に導かれて博士たちが遠く旅した道です。しかし、なぜ神は、御子の降誕を告知するのに、歌声や星の輝きや、違った方法を用いたのでしょうか。人は一人として同じ人間はいません。人はそれぞれに、教育・習慣・伝統・趣味・職業など、すべて異なった背景を持っています。ある人に効果的であった刺激が、必ずしも他の人に同じ成果をおさめるわけではありません。受ける人が違っていれば、救い主の降誕を告げる神の告知の手段も違ってきます。だから神は、野に羊を守る牧人には天使の歌を、研究室に学ぶ博士には輝く星を送りたまいました。大まかにいって二通りの型の人間がいます。感情型と理性型とでも言えましょう。単純・率直・素朴で、通常の力量・才能を持つ人と、人並優れ、多くのタラントを預けられ、非凡の才幹をもった人です。前者を羊飼いが代表し、後者は博士型に属します。
③ 飼葉おけに至る二つの道 
 クリスマスには、彼らはそれぞれ違った道を通ってキリストのもとにまいりした。ただ《羊飼い》は郊外近くにいましたのに、《博士たち》は、遥かな道を、幾山河を越えて旅を続けなければなりませんでした。人生の一公理、理性型な人は、単純素朴な人よりも、キリストに至るためにより遠い道を歩かなければならないことです。しかし、大切なことは、その『道程ではなくて、到達点』です。神は、各人の容積と基準に応じて、ご自分を啓示なさり、各人の最も歩きなれた道で、出会ってくださるのです。神は、《博士たち》に「天使の歌」を、《羊飼い》に星を送ることの無益さと徒労をよくご存知でした。だから聴く耳をもつ者には歌声が、見る目をもつ者には星の輝きが与えられました。教育がなくても素直な愛に生きる者には天使が遣わされ、人生に懐疑的で客観的認識と証拠を求めて進む者には星が空にまたたきました。けれども、そこに止まっていてはなりません。降誕節のキリストは万人に関わりがあります。単純素朴な羊飼いの群れにあるか、学識豊かな博士の型に属するかを問わず、讃美歌を好むか、星を求めるか無関係に、天使が告げ、星の輝く所、飼葉おけにいますキリストにまみえることこそ最も大切なことなのです。

〒253-0006 神奈川県茅ケ崎市堤19-6
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日本キリスト教団  茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 12. 30  by mn

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