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聖霊降臨節第13主日礼拝 説教「五つのパンと二匹の魚」
日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
2023年8月20日
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聖書 マルコによる福音書 第6章30~44節
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「五つのパンと二匹の魚」 要約
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① イエス様と弟子たち、そして群衆 |
ガリラヤ湖の岸辺にそって一艘の舟が見えます。イエス様と弟子たちが、祈るために人のいない静かな所に向かっていました。これを知った大勢の群衆は、町や村から出てきて、イエス様の舟を追いかけ始めたのです。そして、舟の先回りをして、人のいない静かな所に着くと、イエス様の到着を、今か今かと待っていました。舟から上がったイエス様は、大勢の人たちを見て、飼う者のいない羊のような心細い様子に深く心を痛められました。イエス様は、迷子の羊を探し求めるやさしい羊飼いのように、群衆の一人一人の心に寄り添いながら、神様の教えを語りました。群衆も時の過ぎるのを忘れて、イエス様の教えに聞き入ったのです。それは神様の言葉に心を満たされる恵みのひと時でした。やがて夕暮れになりました。弟子たちは、みんながそれぞれ近くの村に行って自分の食べ物を手に入れるようにしてください、とイエス様にお願いしました。が、「あなたがたが食べ物を与えなさい」と、イエス様は答えたのです。弟子たちは、驚きました。 |
② 五千人の給食
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30~44節は五千人の人々を「五つのパンと二匹の魚」で満腹にした奇跡が記されています。これはマタイ福音書14章13~21節、ルカ福音書9章10~17節、ヨハネ福音書6章1~14節にも記録されていますが、39節の「皆を組に分けて」はマルコ福音書だけの記録なのです。先輩奉行が、台風で崩れた100間の清須城の修繕を250人で20日かけても完成できなかったのに、木下藤吉郎は25の組にして10人で4間ずつ受け持たせ、3日で完成させたという逸話がありますが、多人数を組にすると目が届き安くなります。イエス様は賛美の祈りを唱えてパンを裂かれました。大変な時こそ賛美の祈りが解決の入り口になります。12弟子たちにイエス様は「あなたがたが食べ物を与えなさい」と、答えたのでしたね。驚いた弟子たちは、「200万円分のパンを買ってきて、みんなに食べさせるのですか」と言いました。絶対に無理だと思ったのです。弟子たちは、毎日イエス様と一緒にいたのに、イエス様が神様の御子であることに気づいていなかったのですね。 |
③ 五つのパンと二匹の魚 |
イエス様が「パンはいくつあるのか、見て来なさい」と言うと、弟子たちは「パンが五つと、魚が二匹です」と答えました。これは一人分の食べ物です。するとイエス様は、群衆を百人、五十人と組に分けて草の上に座らせるように弟子たちに命じました。パンと魚を配りやすくするためです。いくつもの組ができました。準備が整うと、イエス様は五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで神様に祈りました。そしてパンを裂いて弟子たちに渡しては配らせ、二匹の魚もみんなに分けました。こうしてみんなが満腹し、パンの屑と魚の残りを集めると十二の籠にいっぱいになったのです。食べた人は男だけで五千人、女の人や子どもを合わせると、もっと沢山いたでしょう。イエス様がその食べ物を受け取って弟子たちに配らせたら、みんながお腹いっぱいになるまで食べることが出来たのです。イエス様は、私たちにも「人々に食べ物を与えなさい」「人々を助けなさい」と言われます。弟子たちの食べ物を使ってみんなのお腹をいっぱいにされたようにイエス様は私たちのちっぽけな力をイエス様のお働きのために使って下さいます。そのために、まずお祈りをしましょう。そして神様の大きな恵みの業のために私たちも用いて頂きましょう!
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