主日礼拝 説教抄録  2023年度
    
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    聖霊降臨節第11主日礼拝  説教「平和を実現する真の力」

                 日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
 2023年8月6日


聖書  イザヤ書  第2章1~5節

「平和を実現する真の力」 要約
預言者イザヤ
 8月6日は原爆記念日。78年前、広島に原爆が落とされ、一瞬のうちに十数万人の命が失われました。また原爆のために怪我をし、病気になった沢山の人たち、その子や孫が今も苦しんでいます。日本は原爆を受けた世界で唯一の国です。そこに生きる私たちは恐ろしい爆弾や武器をなくし、世界中の人たちが仲良く暮らすことのできる平和を実現するために祈り、行動したいです。聖書には、戦争のない平和な世界の実現のために働いた人がいます。預言者イザヤです。イザヤは「主は救い」を意味し、紀元前8世紀後半ユダ王国のウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの治世に預言者として神様から選ばれ、40年間、活動し、神様の言葉を伝えました。そのころアッシリアという大国が強い力を持って世界全体を支配していた暗い時代の中で、彼は武力ではなく、世界を治める神の力を信じていました。神はイスラエルの人々を奴隷の国エジプトから救い出し、ダビデを王に選び、エルサレムを神の都とするイスラエル王国を建て平和な暮らしに導きました。            

イザヤが見た幻


 イザヤが見た幻は見るだけでなく、聞くものでもありました。逆に、言葉は聞くだけでなく、見るものでもあります。2~4節は、主の神殿の山の姿を描写的に示しています。幻は人間の直観や思想の産物ではなくて、主から受けた言葉と言えます。ヘブライ語の「言葉(ダーバール)」には出来事という意味があります。そこにはイザヤの見た幻の言葉は夢幻の言葉ではなく、必ず実現する出来事であることが示されています。「終わりの日」(2節)の「終わり」は、文字通りには後を意味します。聖書(ヘブライ語)において過去は前を、未来は後を意味します。ところが、現代人は未来を前に見て、過去を後ろのものとして忘れ去ろうとします。聖書は正反対と言えます。つまり、過去において啓示された神の救いのみ業を自分の前でしっかりと受け止めることにより、未来の進むべき道が主によって後に備えられていくのです。イザヤの預言した終末の平和は、イスラエルの歴史を通して現わされた神様の救いの力によって究極的に実現されます(詩編46編)。
③ 平和を実現する真の力
 アッシリアの武力による支配の中で、イザヤは神様によって実現される真の平和を、見えるように語りました。神様の都であるエルサレムの、神様を礼拝する神殿のある山が、世界の中心として高くそびえる。そこから語られる神様の教えを求めて、世界中の人たちが続々と集まって来て礼拝をささげる、と。イザヤは、世界を始め、真の平和を実現する神様の力を伝え、神様の実現する平和を信じて、希望をもって歩もうと呼びかけています。イエス様は、「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5:9)と教えました。イエス様の宣べ伝えた神の国の福音は、イザヤの預言した真の平和を実現するものです。アメリカのニューヨークにある国際連合の本部の建物の壁には、イザヤ書2章4節の言葉が刻まれています。「彼らは、剣(つるぎ)を打ち直して鋤(すき)とし、槍(やり)を打ち直して鎌(かま)とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない(武器を取り壊して農具とします)」。国連は世界の平和を実現するためにつくられたものです。今も世界には戦争が絶えませんが、真の平和は武力ではなく、神様の御言葉の力によって実現されることを信じ、希望を持って歩みましょう。

〒253-0006 神奈川県茅ケ崎市堤19-6
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日本キリスト教団  茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 8. 5  by mn

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