主日礼拝 説教抄録  2023年度
    
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   聖霊降臨節第2主日礼拝  説教「神様のお言葉どおりに」

                 日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
 2023年6月4日


聖書  列王記下  第5章 14節

「神様のお言葉どおりに」 要約
エリシャが行った有名な奇跡
 「神は救いたまえり」という意味の名を持つエリシャは、紀元前九世紀後半、北イスラエル王国で活躍した預言者です。「ナアマンの癒し」は、エリシャが行った奇跡の中でも特に有名です。北イスラエル王国と敵対関係にあったアラムで軍の司令官をしていたナアマンは、王様からも評価される有能な人物でした。しかし、彼は重い皮膚病を患っており、それが悩みの種だったのです。ある時、ナアマンは、イスラエルから捕虜として連れてきた少女が「サマリアの預言者のところにおいでになれば、その重い皮膚病をいやしてもらえるでしょうに」と妻に話していたのを聞きました(3節)。この「サマリアの預言者」がエリシャだったのです。すぐさま、ナアマンは、アラムの王に、ナアマンを癒やしてほしいという内容の手紙を書いてもらい、贈り物を携えて、サマリアへ向かいます。イスラエルの王は、当初、アラムの軍人ナアマンの訪問と手紙の内容を、軍事的な策略と思い込んで、王を試して言いがかりをつけようとしていると激高したのでした。            

アラムの軍人「ナアマン」の癒し


 そのことを耳にしたエリシャは、使いの人を送り、ナアマン将軍に自分のところに来るようにと伝言をしました。ついにエリシャと会えるかと思いきや、エリシャはナアマンの訪問に自らは出迎えず、使いの者を送ります。「ヨルダン川に行って七度身を洗いなさい。そうすれば、あなたの体は元に戻り清くなります」という使いの言葉(10節)にナアマンは憤慨します。エリシャの自分への扱いが思い描いていたものとかけ離れていたことに不満を抱いたのです。あわやケンカ別れという状況にナアマンの家来が冷静に対処します。「エリシャは簡単な方法を提案してくださっただけなのだ」という家来の助言によりナアマンはエリシャの言葉が神様のご指示であると受け入れ従いました(13節)。こうしてナアマンは癒されイスラエルの神様への信仰を告白します。が、彼は異国の軍人であり、アラム王が信じるリモンというという偶像への礼拝が課されていました(18節)。心配するナアマンをエリシャは「安心して行きなさい」と送り出したのでした(19節)。
③ 神様のお言葉どおりに
 聖書における奇跡とは、単なる超常現象ではありません。奇跡には神様のご計画があり、ご意志があります。エリシャは預言者として数多くの奇跡を起こしました。表面的には人が引き起こした不思議な業であったとしても、それは徹頭徹尾、神様ご自身が成し遂げられる業なのです。重い皮膚病の癒しという奇跡を経験し、神様の存在を確信したのがナアマンでした。彼は、癒しを求めてはるばるエリシャのもとを尋ねた時、最初は、エリシャの突き放した態度と思いもよらない指示に怒ってしまいました。それは、彼が人間的な弱さを持ち、自分の計画、自分の意思が、神様のそれより優先されていたからです。そのような弱さをもったナアマンであっても、神様は彼を見捨てることなく救いのうちに入れてくださっており、病の癒しを与えられたのです。「神の人の言葉」(14節)は「神の言葉」とも読めます。初めはエリシャの言葉を単なる人の言葉としてしか聞けなかったナアマンも、周囲の助けによって神の言葉と信じて受け取ったのです。神様は今この時も、生きて働いておられます。神様がしてくださることを自分勝手に解釈するのでなく、たとえ自分の思いと違ったとしても、素直に受け入れる時、そこに喜びが生まれていくのです。

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牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 6. 3  by mn

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