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復活節第7主日礼拝 説教「イエス様の正体」
日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
2023年5月21日
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聖書 マルコによる福音書 第1章21節~28節
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「イエス様の正体」 要約
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① 福音書について |
イエス様の宣教活動があり、イエス様のことを人々が語り伝える期間があって、イエス語録が生まれ、奇跡や活動を伝える資料が作られ、やがて「福音書」と呼ばれるものがたくさん生まれました。それらの多くは聖書に採用されず、今日では「偽典」「外典」と言われています。新約聖書に採用された福音書は4つで、AⅮ68年頃マルコ福音書が、80年~90年頃マタイとルカ福音書が書かれたと言われています。ヨハネ福音書は語録的な要素が強く、通説とは逆にマルコ福音書以前に書かれた可能性が強いと私は思っています。マルコ福音書は「神の子イエス・キリストの福音の初め」(1節)から始まります。「福音」(エヴアンゲリオン)とは「喜ばしいニュース」の意味で、イエス様が弱っている者を「深く憐れんで」(言語では「内臓がちぎれるほど共感して」です)くださることです。今朝の聖書の箇所は、先週の続きで、いよいよ、イエス様の活動が、人々に広がっていき、汚れた霊に取りつかれた男を解放するという最初の奇跡を学びます。 |
② 最初の奇跡
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イエス様と四人のお弟子さんたちはカファルナウムの町に着きました。神様を礼拝する日、たくさんの人が集まっています。イエス様はそこで喜びの知らせを伝えはじめました。すると、汚れた霊に取りつかれている人が「わたしにかまわないでくれ、わたしを滅ぼさないでくれ」と叫び出しました。周りの人はこの人がどういう人かよく知っていました。イエス様はこの人に取りついている霊に向かって言いました。「黙れ。この人から出て行け」。その人は激しく震えだし、やがて穏やかになりました。この人のことをよく知っていた人たちは、みんなこの出来事に驚きました。人々はイエス様に対して二度驚いています(22節と27節)。最初の驚きは「非常に」とあるように倒れるくらいびっくりした意味の言葉です。次にイエス様が汚れた霊を追い出した後の「驚いて」には聖なる存在を前にした畏れの念が含まれ「これはいったいどういうことなのだ。権威ある新しい教えだ。この人が汚れた霊に命じると、その言うことを聴く」との驚きでした。 |
③ イエス様の正体 |
皆さんはイエス様の本当の正体を知っていますか。実は、今朝の聖書の箇所にイエス様の正体を最初に知られた場面がありました。でも、見破ることができたのは、イエス様の弟子でもなく、周りにいた人々でもなく、汚れた霊でした。他の人々から見れば、イエス様は、ただナザレから来た権威ある教えをする人間としか思えませんでした。しかし、汚れた霊は神の子だとわかったのです。イエス様はそんな汚れた霊に向かって、「黙れ、この人から出ていけ」と叱って、男から追い出してくださいました。汚れた霊を追い出すことができる権威は、神様以外にありません。しかも、神様の権威は愛に満ちていますから、汚れた霊に取りつかれた男が救われたのです。私たちも、イエス様の本当の正体が、神の子だということを知っています。汚れた霊のように、見破ったからではありません。イエス様が、この後、十字架にかけられ、よみがえられたことによって示された素晴らしい愛に驚いたからです。皆さんもイエス様の本当の正体を礼拝に来て知ってほしいと思います。この方は愛に満ちた権威で、今も私たちを救ってくださいます。礼拝ごとに語られるイエス様に驚くことから始めましょう!こうして神様の喜びの知らせは広まるのです。 |
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