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降誕節第8主日礼拝 説教「真実な愛」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2023年2月12日
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ヨハネの手紙 一 第5章20節
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「真実な愛」 要約
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① 神は愛である |
四百数十年前にキリスト教が初めて宣教師たちによって、この日本に入ってきました。宣教師たちは言葉の壁にぶつかりました。彼らは色々伝えたかったけれど、その中心となるのは神の愛。「神は愛である」ということを一番伝えたかった。その「神」という言葉が八百万の神々を表す恐れがあった為、神というラテン語そのまま「ゼウス」。それに、天のあるじと書いて「天主」という言葉を当てはめて使った。今風に言えば「天のお父様」ですね。そして「愛」という言葉も当時の日本になかったので、代わりに大切にするの「大切」に丁寧語の「御」をつけて「御大切」という言葉を使ったということが辞書に載っています。身分階級の厳しかった時代、人間、一人一人は「天のお父様の御大切」です。男尊女卑という風潮が強かった時代に性別に拘わらず、あなた方一人一人は「天のお父様の御大切」です。封建制度の中で若者が軽んじられ、弱い者がさげすまれていた時、年齢・体の強弱に関係なく、人は皆「天のお父様の御大切」と伝えたのです。 |
② 永遠の命と永遠の今 |
ヨハネの手紙一の著者は『ヨハネによる福音書』記者の神学思想の正しい後継者であると言われています。『ヨハネによる福音書』の有名な聖句、当伝道所2019年度の年間愛唱聖句として覚えましたね。(一緒にどうぞ)「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである」(ヨハネ3:16)。この聖句は
<私たち一人一人の存在が尊いという思想>。また、<命あるものは総て例外なしに神の祝福を受けて創造に際し祝福のもとに「生」を受けているという理解が旧新約聖書を貫いている神学思想>。そして、<神の言(ことば)そのものであるイエスにおいて、私たちは、神の永遠の命を「今」という時に与る恵みを得ているというメッセージ>。それらが『ヨハネの手紙一』にあります。時間と空間の限られた「生」に生きる私たちは、信仰において「永遠の今」を生きることを許されています。ここに「自分を愛するように隣人を愛する」ことを神から与えられているのです。 |
③ 真実な愛 |
ヨハネの手紙に「互いに愛し合うこと、これがあなたがたの初めから聞いている教え」です(3:11)という言葉があります。イエス様は自分を十字架につけた人について、「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです」(ルカ23:34)と十字架上で祈りました。今朝の聖書では、そんなイエス様のことを「真実の神、永遠の命です」と言っています。そして「わたしたちは真実な方の内に、その御子イエス・キリストの内にいるのです」とも言われています。私たち一人一人は、そんなイエス様の大きな愛に包まれているのです。だから、私たちもイエス様のまねをして、少しずつでも嫌いな人のためにも祈ることができるようになりたいですね。インドで貧しい人のために働いたマザー・テレサは、「愛の反対は憎しみではない。無関心だ」と言いました。私たちは、マザー・テレサのような大きなことはできないかも知れませんが、今困っている人について知ること、お祈りすることはできますね。まず「自分を大切にしましょう。イエス様に愛されていることをいつも感じつつ、自分のためにも、また周りの人のことも大切にしましょう。「互いに愛し合う」ことによって、私たちの周りに平和を作っていけるといいですね。
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