主日礼拝 説教抄録  2022年度
    
印刷用PDF

 
       降誕節第4主日礼拝 説教「不思議な神秘」

               日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                      
2023年1月15日

コリントの信徒への手紙(一) 第15章51節~53節

「不思議な神秘」 要約
たくさんの不思議
 皆さんの中には、花や野菜を育てている人がいるかもしれません。種をまくと、芽が出て、茎が伸びて、葉が茂り、花が咲いて、実がなります。不思議です。空を見上げると、昼間は太陽が、夜になると月が輝いています。たくさんの星々がきらめいています。不思議です。子どもたちの身体は、どんどん成長します。手も足も大きくなります。去年までは着ることのできた服が今年は着られなくなります。とても不思議です。私たちの周りには、たくさんの不思議があります。そのような不思議なことを「神秘」と呼ぶことがあります。昔の人たちは、なぜ種をまくと、芽が出て、茎が伸び…実がなるか分からなかったかもしれませんが、種をまけば実がなることを知っていましたから種をまきました。なぜ星々が輝くのか分からなかったかもしれませんが、季節ごとに星々が巡ることを知っていたので、星々によって時を計りました。昔の人たちはたくさんの「神秘」に囲まれていましたが、その「神秘」の中にある祝福に感謝しながら過ごしました。              
「復活」は私たちにとって「神秘」
 今は、科学が進み、たくさんの「神秘」が明らかになりました。なぜ種をまくと花が咲くのか。なぜ太陽と月は輝くのか。なぜ…。それまで分からなかったことが分かるようになりました。いつの間にか、私たちの周りにあったたくさんの「神秘」は、だんだんと少なくなってきたように思います。でも「神秘」はなくなっていません。今も、私たちに分からないことはたくさんあります。そして、私たちはそれらの「神秘」の中にある祝福に感謝しながら生きています。聖書は神様のこと、私たちの命のことを伝えています。特に今朝の御言葉は「復活」のことを伝えていますが、私たちには「復活」がどのように起こるのかはよく分かりません。ですから、「復活」は私たちにとって「神秘」です。私たちは自分がどのように復活するのか分かりません。私たちの命がどのようになるのか、私たちにはよくわかりません。けれども、イエス様の復活を通して、「復活」は「神様から必ず与えられるすばらしい祝福」であることを私たちは知らされています。
③ 不思議な神秘
 「神秘」は人間の目には隠されていて、私たちは知ることのできないものです。が、イエス・キリストの復活を通して、「神秘」が私たちに明らかにされました。「この朽ちるべきものが朽ちないものを着、この死ぬべきものが死なないものを必ず着ることになります」(53)ということを知らされたのです。ある高齢の方がいました。歩けなくなり、施設に入れられました。その方を訪ねるといつも「もう一度、元気に歩きたい」と願っておられました。共に祈りを重ねましたが、むしろ、だんだんと坐ることさえ難しくなってきました。ある日のこと、その方は「洗礼を受けたい」と言われました。「イエス様に復活させていただき、元気に歩けるようになりたい」と願われたのでした。洗礼をお受けになった後は、いつも「復活したら、歩けるようになるね」と話しておられました。そして、希望を抱いて眠りにつかれました。この方が洗礼を受け、希望を抱いて眠りにつかれたことを、誰よりもご家族が驚いておられましたが、教会での葬儀の時には主への感謝があふれていました。パウロはこの段落を感謝で閉じています(57)。復活は「どのように」と論じることではなく、「必ずなる」という希望を与えてくださった神様に感謝することなのです。

〒253-0006 神奈川県茅ケ崎市堤19-6
TEL/FAX 0467-54-1300
日本キリスト教団  茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 1. 14  by km. mn

Copyright 2010 Chigasaki Tutumi Dendosho  All Rights Reserved