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クリスマス特別礼拝 説教「天に栄光、地に平和」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2022年12月25日
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ルカによる福音書 第2章1節~16節
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「天に栄光、地に平和」 要約
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① 神の子イエス・キリストの誕生 |
主キリストは寒村ベツレヘムに生まれました。ヘンデルのハレルヤ・コーラスの中では「王の王、主の主」と讃えられますが、その歌声にもふさわしくなく、彼は首都のエルサレムでも、世界の中心ローマでもなく、淋しい田舎町に生をうけられました。傲慢と虚偽に満ちた政治家の集うところや、晦渋(かいじゅう)さと派閥を誇る学者の拠点を避けて、名もない貧民の村ベツレヘムが神の子キリストの誕生の地として選ばれたとは驚くべきことです。♪「人はみな眠りて、知らぬ間にぞ
御子なるキリスト 生まれたもう… 罪ふかき世にかかる恵み天<あめ>より来<く>べしと 誰<たれ>かは知る」(54
年版讃美歌 115-2,3)。
主キリストは誰にも知られず、真夜中に生まれました。みんなが昼間の出来事に神経を消耗し、眠りこけている時に、無限の恵みが人類に与えられたのです。パスカル曰く「我々の感性は余りに極端なものを知覚しない」と。私たちは、この世のことに眠る事はあっても、魂は目を覚まし、主を内なる宮に迎えましょう! |
② 羊飼いと天使 |
ヨセフとマリアが長旅をして、疲れきってベツレヘムに着いた時「宿屋には彼らの泊まる場所がなかった」(7 節)と聖書にあります。どこの宿屋も「うちは満員だよ。どこかよそへ行っておくれ」と言われてしまったのです。今でも多くの人々は、同じような態度でクリスマスを迎えます。その人達の心は、自分の幸せ、自分の願い、自分の得になる事ばかり考えていて、イエス様の事、苦しんでいる人達の事を思う余裕がないのです。こう考えるとクリスマスは悲しい人間の姿を見せてくれる物語です。ヨセフとマリアはしかたなく、馬小屋に泊まりました。ところが寒い夜に家の中でゆっくり休むことのできない人々が他にもいました。羊飼いたちです。主人の羊を預かり、郊外の野原で一晩中、羊の番をする辛くて、重い責任ある仕事の羊飼いに、「救い主がお生まれになった」というニュースを天使たちが伝えたのです。天使(みつかい)とは、神様のみ言葉を伝える役目の事。今では、誰も天使を見ることはできません。が、その役目をする人はいます。 |
③ 天に栄光、地に平和 |
今年のクリスマスは皆さんも、天使(みつかい)になりませんか? 大勢のみつかいたちは一緒になって歌いました。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(14
節)。大切なみ言葉です。わかりやすく言うと、「神様第一、みんな平和に」ということです。ある人は「お金第一」と言います。「健康第一」「自分の国が第一」「勉強第一」「仕事第一」。結局、人は皆「自分の幸せ第一」にしたいと思っているのです。皇帝アウグストゥスも、ベツレヘムの宿に泊まった人々もそうでした。自分のことばかり考えているのですから、必ず喧嘩や争い、憎み合いや戦争が起こります。クリスマスにお生まれになったイエス様は、一生、これを人々に教え、またご自分もそのように生き、そして死んで下さいました、イエス様はいつでも「神様第一」でしたから、ローマ皇帝もユダヤ総督も、ヘロデ大王も律法学者も誰も恐れませんでした。そしていつでも、寒くて暗い所に追い出されて苦しんでいる人々、悲しんでいる人々の友だちでした。病人、子供、身体障碍者、罪を犯して悲しんでいる人々と一緒にいて下さって本当の平和とはどういうことかを教えて下さいました。私たちも、クリスマスを実行する人になりましょう。
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