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アドベント第二主日礼拝 説教「生きて働く神の言葉」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2022年12月4日
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イザヤ書 第55章1節~11節
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「生きて働く神の言葉」 要約
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① 第二イザヤの背景 |
待降節第二主日の今朝は旧約イザヤ書55章の喜びと希望に満ちた言葉から励まされましょう。イザヤ書は全部で66章あります。66章までのイザヤ書を一人の人が書いたのではなく、1章から39章までは、仮に第一イザヤが、40章から55章は第二イザヤが、56章から66章までは第三イザヤが書いています。今朝の第二イザヤの背景は、聖書の人々がバビロンという国に捕われの身でした。その捕われの人々に慰めと希望を与えているのです。しかしながら、慰めと希望を与えられながらも尚、現実は苦しみです。それをどう受け止めたらよいのか。私たちも主の復活の喜びを与えられていますが、現実は相変わらず苦しみの続きです。胸につかえる心配事は続いています。復活の主イエス・キリストの喜びは現実にさいなむ私をどのように導くのでしょうか。第二イザヤ55章は主の僕の福音を基として、神様の御言葉の力を示しています。1~11節には「神に立ち帰ることによって魂は満たされる。魂に命を与えるのは神である」と語っているのです。 |
② 命を与えるのは神 |
生まれたての赤ちゃんは目もよく見えません。体もふにゃふにゃで、一人では何もできません。でも、泣いてお腹がすいたと訴えることができます。おっぱいを飲むこともできます。生まれてきた命は皆、「生きなさい」という神様からの言葉によって、生きていくための力を与えられます。赤ちゃんは毎日、泣いて、おっぱいを飲んで、寝ているだけのように見えるかもしれませんが、やがて色々な声を出すようになり、大事な人の顔をじっと見つめるようになり、そしてある時、自分で寝返りができるようになり、立ち上がって歩き出します。誰も「歩くには右足を前に出して、次に左足を出すのよ」なんて教えないのに、時が来たら自分で歩き出します。「生きなさい」という神様の言葉は、そうやって目に見える形で実現していきます。空から降って来る雨も雪も、神様から与えられた役割を果たします。神様は大地を潤し、草や木や花、畑や田んぼの作物を育てます。そのおかげで食べ物を得ることが出来、こうして私たちは神様から生かされています。 |
③ 生きて働く神の言葉 |
旧約聖書の時代、神様は預言者と言われる人たちに大事な言葉を預け、人々に伝えるようにされました。その言葉は忘れないように書物にされて、今も読むことができます。ただ、神の言葉は目に見えませんし、大事なことがいくら文字で書いてあっても、私たちはすぐに忘れてしまいがちなのです。そこで、ついに神様は、見えない神の言葉を、目に見える一人の人としてこの世界に送られました。それが、クリスマス、イエスの誕生という出来事です(ヨハネ1:1,14)。イエス様が語られた言葉を聞き、イエス様がなさったことを見て、イエス様の生き方を考える時、私たちは神様の言葉が分かるのです。ルカ4:18の言葉は、何百年も前に書かれた言葉でした。でも、イエス様には分かっていたのです。「ここに書かれているのは、わたしのことだ!」って。だから、そこに集まっていた人たちにこう宣言しました。「この聖書の言葉は、今日、実現した!」と。神様は真実な御方です。神様のお言葉は必ず実現します。そのようにして、約束された救い主は、この世界に来られました。神の言葉がどのようなものかを示し、教えて下さるイエス様が来られたことを私たちは喜び、イエス様が「生きて働く神の言葉」であると信じて、励まされるのです。
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