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アドベント第一主日礼拝 説教「希望を持って待とう」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2022年11月27日
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ルカによる福音書 第21章25節~36節
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「希望を持って待とう」 要約
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① アドベント |
クリスマスの前4回の日曜日の期間をアドベントと呼びます。ドイツではアドベント・クランツを作り、ローソクを4本立てて、毎週1本ずつ灯をともしていきます。4本目に灯がともされればクリスマスです。アドベントはラテン語で「到来」という意味です。救い主の到来を待ち望む時という意味で待降節(降臨節)と訳しています。2022年前にベツレヘムに到来されたキリストは、世の終わりに再び到来されます。ですからアドベントは昔から「二つの到来」を迎える準備をする時と考えられてきました。日本では待降節はクリスマスの準備をする喜びの時とされていますが、元来は祈りと断食の中で最後の審判を迎える準備をする厳粛な時なのです。ルター派の教会では4回の日曜日の第1日曜は主イエスのエルサレム入城を、第2日曜は世の終わりを、第3日曜は先駆者ヨハネを、第4日曜は母マリアをそれぞれ記念する習慣があります。カルバン派の教会は教会暦を簡略化して守っていますがアドベントという美しい習慣は引き継いでいます。 |
② さあ、いよいよ、今日からアドベント! |
もしイエス様が今日、もう一度この世界に来られ、皆さんのおうちに来られるとしたらどうでしょう。汚いお部屋は見られたくないなって思いませんか。来られることがわかっていたら、ちゃんと片付けると思います。いや、イエス様には心の中まで見えていますから、自己中心のガラクタで散らかった汚い心も見られたくありませんね。来られることがわかっていたら、心の中もきちんと片づけたいと思うでしょう。「いつも目を覚まして祈りなさい」と聖書に書かれています。イエス様がいつ来られてもよいように、「いつも目を覚まして」とはそういうことです。イエス様は再び来られると言われました。その日がいつか分りません。でも、イエス様がいつ来られても良いように、心の中もきれいにして、お迎えできる準備をしておきたいですね。「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない」(33)、イエス様を通して示される神様の愛は、永遠に変わることはありません。今日からクリスマス迄の約1か月、クリスマスを迎える準備を致しましょう! |
③ 希望を持って待とう |
イエス様がお生まれになるずっと前、イエス様の国のユダヤの人たちは、とても苦しい生活をしていました。苦難の中を歩むユダヤの人たちを支えたのは、「恵みの約束を果たす日が来る」との神様の約束でした。神様が救い主をお送り下さるとの希望こそが彼らの歩む力でした。だからこそ、彼らはその時を待ち続けたのです。私たちは、イエス様が誕生された後も生きています。その希望はもう必要がないのでしょうか。いいえ、私たちの生きる世界は、今も世界的な感染症、戦禍の中にいます。世の終わりに向かって進んでいるようです。イエス様が言われた「神の国が近づいた」。そのような中を歩むために必要なことがあります。この世界は滅びに向かっているのではなく、神様による完成に向かって進んでいることを知ることです。しかもその時まで「わたしの言葉は決して滅びない」、つまりイエス様が示された神様の愛は一切変わることはないのです。私たちに、こうお語りになったイエス様が、再び来て下さいます。だから私たちは、イエス様が全てを完成して下さるとの希望を持って「そのとき」に向かって生きるのです。この希望があるから様々な問題がある今を、不安に飲み込まれることなく精一杯歩んでいくことができるのです。
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