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聖霊降臨節第17主日礼拝 説教「教会の頭 イエス様」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2022年9月25日
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コロサイの信徒への手紙 第1章17~20節
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「教会の頭 イエス様」 要約
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① コロサイの信徒への手紙 |
コロサイの信徒への手紙は、使徒パウロがコロサイの教会に宛てて書いた手紙です。この手紙はラオディキアの教会にも回覧され、読まれることを願って記されました(4:16)。つまりこの手紙に記されていることは、全ての教会に共通することです。コロサイの教会はエパフラスという人が伝道してできた教会です(1:7)。コロサイという町は貿易や軍事の面でも重要な町でした。ヨーロッパ中のいろいろな文化や世界観や宗教が入り込んでいた町です。教会も少なからずその社会の影響を受けていました。そのため教会の中で主イエス・キリストについてさまざまな考え方がありました。自分勝手に、自分の気に入った「救い主」を想像し、イエス様はそういう方だと思い込んでいる人たちが少なからずいました。使徒たちが伝えるイエス様への正しい信仰から逸れてしまう人が少なくなかったのです。そのためパウロはコロサイの教会に手紙を書いて、正しい信仰に留まり続けるように勧めました。私たちの救いはキリストによる以外にはないからです。
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② 御子は全てのものよりも先におられ、
全てのものは御子によって支えられています |
今朝の聖書17節では、イエス様のことを「御子」と呼んでいます。イエス様は神様の御子として天地創造の前から神様と共におられ、今もおられ、永遠に変わることなくおられる方です。そしてすべての被造物は御子イエス・キリストによって支えられています。御子キリストは、十字架によって神様と私たちを和解(仲直り)させて下さり、私たちが滅びることのないように支えておられます。「御子はその体である教会の頭」(18)と言われています。もともとは「御子は体の頭」という文だったそうです。その場合の「体」とは、全世界・全宇宙を指すものであるとされます。ここに言わば「コペルニクス的転回」があります。太陽が地球の周りを回っているように見えたものが、実は地球の方が太陽の周りを回っていた。同じように、全宇宙も、そしてその中の一生物である私たちも、私たち自身が中心なのではなく、イエス様が中心です。すべてはイエス様の愛の力によって存在しているのです。パウロはそこに「教会」という言葉を加えました。 |
③ 教会の頭 イエス様 |
全宇宙の統治者である御子キリストは、同じく全ての者を罪から救い出すために死なれ、父なる神様と私たちとの和解を実現して下さった方です。これが「真理」です。教会はそのことを言葉と行為によってこの世に示していくのです。教会は「神が御子の血によって御自分のものとなさった神の教会」(使徒20:28)と言われるように、イエス様の命によって神様のものとされました。神様は、イエス様の十字架の血によって、神様と私たちの和解が実現しているという救いの事実を、教会を通して示すために、イエス様を「教会の頭」とされました。御子キリストこそが教会の真実の権威であり拠り所なのです。イエス様抜きには、教会は教会として成り立ちません。イエス様が「教会の頭」としておられるからこそ、教会は歩んでいけるのです。教会はいつも神様の御子であるイエス様を「全てのものの頭」とします。イエス様を「頭」として礼拝しています。「キリストの体」としてキリストのなさろうとしておられること聴き、愛の行為を通してイエス様がこの世に働いておられることを示してきました。御子を「頭」として生きる群れが教会です。イエス様は私たちをご自分と結び合わせ、私たちを通してご自身を明らかにして下さいます。
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