印刷用PDF |
聖霊降臨節第16主日礼拝 説教「聖霊が働いて」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2022年9月18日
|
コリントの信徒への手紙(一)第2章9節~10節
|
|
「聖霊が働いて」 要約
|
① パウロの伝道旅行(アテネからコリントへ) |
使徒パウロはアテネから商業都市コリントにやってきました。コリントは当時人口70万人の港町で、多くのギリシャの神々を祭る神殿があり、道徳的な乱れがひどい状態でした。当時「母親は息子をコリントだけには行かせるな」という諺がある程でした。コリントについた時、彼はひどく衰弱し、恐れに取りつかれ、不安を抱えていました。文明が発達し、多くの人が自ら沢山の「神々」を作り、自分の欲望を満たすために生きている町で、どう真実な神様を伝えたらよいか悩んで極限状態に陥っていました。先のギリシャの中心都市アテネで、自分の全勢力と全ての知恵を使ってギリシャの哲学者と論戦を戦わせ、弁舌をふるい、イエス様の復活のことを語ったのに、アテネの人たちは「死人が生き返るはずがない」と言って彼のもとを去っていったのです。<人間の言葉ではどうしても伝えることができないものがある>と思い知らされた彼に神様は「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。わたしがあなたと共にいる」と励まされたのでした。 |
② 神様の秘められた計画 |
励ましを受けたパウロは気づきます。<そうだ。神様が共にいて共に働いてくださるのだ>と。そこでパウロは、ただイエス様のことを、しかも十字架につけられたイエス様がキリスト(救い主)であることだけを、知恵を用いずに語りました(2:1~5)。すると多くの人が主イエスの福音を信じました。彼はイエス様の福音のことを「神の秘められた計画」(1節)、または「隠されていた、神秘としての神の知恵」(7節)と言いました。神様はご自身の計画、ご自身の知恵をこの世の人々には隠されました。神様についてどんなことでも知ることができると、人間は神様に対する畏れを持つことがなくなります。神様を神様としなくなります。自分が神様になったように思ってしまうのです。だから神様はご自身の知恵をこの世の人々に隠し、ご自身が選ばれた者だけに明らかにされたのです。救い主が十字架につけられる。そのことによって罪人に救いが与えられる。そんなことは、私たち人間の誰も思いつきません。見たことも聞いたこともないのですから。 |
③ 聖霊が働いて |
自分のすぐそばのイエス様に、気づかないのが私たちです。そのような私たちの目、耳を神様は開いてくださいます。神様はご自分が示そうとする人に聖霊を注ぎ、ご自身の知恵の深さを示してくださいます。この神様の秘められた計画を明らかにしてくださるのが聖霊なる神様です。イエス様の十字架による神様の計画は、私たち人間の知恵や知識で理解しようと思っても理解できません。しかし神様は聖霊によって、神様の救いの素晴らしさを知らせてくださいます。聖霊が働く時、あの痛ましいイエス様の十字架の姿の中に秘められている神様の素晴らしい働きが見えてきます。私たちの罪を赦し、私たちに永遠の命の希望を与えてくださる神様の救いが見えてきます。教会は聖霊によってできました。教会はいつも聖霊でいっぱいです。私たちが教会で神様のお話を聞いた時、神様の気持ちがわかるのは、聖霊が助けてくれるからです。聖霊によって教会ができたのは、ずっとずうっと昔です。聖霊はそんなずうっと昔から、今まで世界中で神様の気持ちをみんなに伝えています。私たちも聖霊によって、教会につながっています。今朝も神様に大切にされていることがわかって嬉しい気持ちになっていますね。心から感謝しましょう!
|
|