主日礼拝 説教抄録  2021年度
    
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       クリスマス礼拝  説教「神さま第一」

                日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                     2021年12月19日

  ルカによる福音書 第2章1節~14節

「神さま第一」 要約
① 「そのころ」(1節)
 イエス様がお生まれになった頃、ユダヤの国は、ローマ帝国という強い国の領地でした。ユダヤだけではなく、沢山の国々をローマが占領していました。アウグストゥス皇帝は、それらの国々に住む人々に、人口調査を命令したのです。それは、ただ人数を調べるだけではなくて、もっと沢山の税金を取るため、また兵隊や奴隷として、もっと沢山の人間を集めるための下調べでした。だから、人々は人口調査がとてもいやでした。でも、政府の命令だから仕方ありません。いやいやながら、先祖の町や村の役所に行くために旅行を始めました。ヨセフもマリアも、住んでいたナザレという町から120キロも離れたベツレヘムまで旅行しなければなりません。昔は、電車も自動車もありませんし、その上、マリアは間もなく赤ちゃんが生まれそうになっていましたから、その旅行はとても大変だっただろうと思います。このように聖書は、強い国のいばった皇帝がわがままな命令を出し、そのために、人々が苦しめられている姿を、まずハッキリと書いています。
「宿屋には彼らの泊まる場所がなかった」(7節)
 ヨセフとマリアが長旅をして、疲れ切ってベツレヘムに着いた時、どこの宿屋も「うちは満員だよ。よそへ行っておくれ」と言われてしまいました。もしも皆さんだったらどうしますか?今でも、多くの人々は同じような態度でクリスマスを迎えます。「うちは満員だよ」―そうです。その人たちの心は自分たちの事でいっぱい。自分の楽しみ、自分の幸せ、自分の願い、自分の得になることばかり考えていて、イエス様の事、苦しんでいる人たちの事を思う余裕さえなくなっています。こう考えるとクリスマスは、悲しい人間の姿を見せる、悲しい物語です。ヨセフとマリアは、しかたなく馬小屋に泊まりました。馬小屋といっても、その頃、ユダヤ人は馬を飼っていません。馬はローマの軍隊の大切な道具です。マリアたちが泊まったのは、たぶん、今の言葉でいえば、駐車場かガレッジのような所でしょう。旅人が乗ってきたロバや、畑で働かせる牛を入れておく所です。イエス様は、寒くて暗いガレッジのような所で生まれたのです。
③ 神さま第一
 寒い夜にも家の中でゆっくり休むことのできない人々が、他にもいました。羊飼いたちです。主人の羊を預かって淋しい郊外の野原で一晩中、羊の群れの番をしていなければならないのです。辛い仕事と重い責任―このような人々に「救い主が生まれた」という素晴らしいニュースが、み使いによって伝えられました。み使いというのは、神さまのみ言葉を伝える役目の事です。もし皆さんが、まだイエス様を知らない人に、神様のみ言葉を伝える役目をすれば、皆さんがみ使いになります。さて大勢のみ使いたちは一緒になって歌いました。「いと高き所には栄光、神にあれ、地には平和、御心に敵う人にあれ」(14)。これはとても大切なみ言葉です。意味は「神さま第一。みんな平和に!」という事です。私たちは、何を第一にするか分からなくなっています。ある人は「お金第一」と言います。他の人は「健康第一」と言います。「自分の国が第一」と言う人、「勉強第一」、「仕事第一」…結局、みんな「自分の幸せ第一」にしたいと思っているのです。皇帝も、宿屋の主人もそうでした。クリスマスにお生まれになったイエス様は、いつも「神さま第一」でした。私たちも、クリスマスのみ言葉をよく学んで、クリスマスを実行する人になりましょう!

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 更新:2021.12.18 by nk

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