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待降節(アドベント)第3主日礼拝 説教「うれしいお知らせ」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2021年12月12日
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イザヤ書 第40章1~11節
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「うれしいお知らせ」 要約
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① バビロン捕囚 |
ユダが滅びた紀元前6世紀前半、中東世界は激動の時代を迎えていました。ユダを攻め、苦しめていた大国アッシリアは別の強国バビロニアに滅ぼされました。バビロニアはユダへ三度攻め入り、侵攻のたびに、ユダの指導者層の人々を連れ去って国を弱らせ、最後には滅ぼしました。これがバビロン捕囚です。捕囚の民はいくつかの小さな共同体となり慣れない異郷で生活します。異郷生活は半世紀ほど続いたと言われています。バビロニアの隆盛はさほど長くは続きませんで、紀元前539年、バビロニアはペルシャ帝国に滅ぼされました。ペルシャの王キュロスは、征服した民族に対して寛大な政策を取り、その民族固有のあり方が守られるようにしましたので、ユダの人々は故郷に帰れるようになりました。今朝の聖書箇所で、神様の「呼びかける声」(3)を聞いた預言者は、捕囚の民の一人だったと伝えられています。イザヤやエレミヤといった預言者たちが神様の御言葉を伝え、御言葉に聞き従い、主に立ち帰りなさいと繰り返し警告したのでした。 |
② 良い知らせ |
「良い知らせです!すべての人を照らす真の光が来ます!」。ラクダの毛皮を着たバプテスマのヨハネが荒れ野で、大声で叫んでいます。「この光は神様が皆に送って下さったイエス様です。イエス様は羊の群れを悪いものから守る羊飼いのような方です。さぁ皆でお迎えしましょう」。その声を聞いた人々は、三十年ほど前の不思議な出来事を思い出しました。それは羊飼いたちが夜、野原で羊の群れの番をしていた時の事です。突然、あたりが昼間のように明るくなって、天使があらわれて言いました。「とても良いお知らせがあります。今日、ダビデの町に救い主がお生まれになりました」。羊飼いたちは急いで行って、馬小屋の飼い葉桶に眠っている赤ちゃんイエス様を見つけました。イエス様は、私たちの心を明るく照らす真の光としてやって来られたのです。私たちが自分の弱さや心の醜さを自覚する時、神様は遠くにおられるように感じます。けれども神様は私たちに寄り添って下さるために、御子イエス様を送って下さったのです。 |
③ うれしいお知らせ |
バビロン捕囚でエルサレムから異郷に連れ去られた人々は数十年を経ても、なじむことはできませんでした。周囲から負けた国の人だと差別されていたからです。その時になってようやく、預言者から聞いた神様の教えに従っていれば良かったと気づいたのです。もう遅い、元には戻れない、神様に見捨てられたと悲しむ毎日でした。ところが高い山から力いっぱい叫ぶ声が聞こえました。「私たちの神の言葉はとこしえに立つ」(8)と、預言者が神様の語りかけを伝えていたのです。自分たちは見捨てられていなかった!人々は耳をそばだてシッカリ聞こうとしました。もうエルサレムで神様に背いていた頃とは違うのです。「私たちの神のために、荒れ地に広い道を通せ」(3)と御言葉が響きました。主の御言葉は変わることのない永遠の真実です。主の道を自分の心に通し、御言葉に従って進めば、思い煩いも迷いもありません。「御腕をもって統治される」(10)神様が捕囚の人々を故郷エルサレムへ連れ帰って下さいます。更に、悪の道に迷い込む「肉なる者」(6)を、神様は憐れんで下さいました。「主の栄光が…現れるのを肉なる者は共に見る」(5)ようにと、神様は御子イエス様を私たちの世に遣わして下さいました。御言葉に聞き続けましょう!
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