主日礼拝 説教抄録  2021年度
    
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     降誕前第9主日礼拝  説教「恵みによって救われる」

                日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                       2021年10月24日

  使徒言行録 第15章1節~12節

「恵みによって救われる」 要約
① 割礼を受けなければ救われない?
 「ある人々が、『モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない』と兄弟たちに教えていた」(1)。教えていた場所はアンティオキア教会。ある人々とはエルサレムとその付近から来た律法を大切にしているユダヤ人クリスチャン。割礼とは、生後八日目に男子の性器の包皮を切り取ること(レビ記12:3)です。ユダヤ教徒の男性は皆、神との契約のしるしとして行っていました。割礼を受けていなければ救われないという主張にパウロとバルナバは反対し、激しい対立となってしまい、この問題について話し合うために、パウロたちはエルサレムに向かいました。「エルサレムに到着すると、彼らは教会の人々、使徒たち、長老たちに歓迎され、神が自分たちと共にいて行われたことを、ことごとく報告した」(4)。報告した内容は、多くの異邦人が主イエスを信じたという喜ばしい報告で、エルサレム教会の人たちもとても喜びました。が、「異邦人にも割礼を受けさせてモーセの律法を守るべきだ」(5)と主張する人たちがいたのです。
さぁ、会議が始まりました
 この会議は普通の会議とは少し違います。教会の会議ですから、神様が会議に参加する一人ひとりと一緒にいて、聖霊の力で導いておられたのです。イエス様の弟子だったペトロがみんなに意見を言いました。「私たちはみんな救われています。それは、一生懸命良い行いをしたからでも、神様の命令を守ったからでもありません。神様の恵みによって救われたのです。外国の人だって同じはずです」。ユダヤの人たちは、神様からの命令である律法を懸命に守ろうとしました。イスラエルの契約にはすべての民族が含まれる(創世記12:3)と知っていましたから、彼らも異邦人への宣教には反対してはいません。が、その契約と祝福のしるしが割礼であると考えていたのです。議論を重ねた後、ペトロの話は、異邦人であるコルネリウスがペトロを通して救いに入ったこと(使徒10章)を、聞いている人たちに思い出させました。結果、律法では汚れた者とされていた異邦人の救いが正しいものであることが、神様が聖霊を与えて下さるという形で証明されたのです。
③ 恵みによって救われる
 ユダヤの人たちは神様からの命令である律法を懸命に守ろうとしました。でも律法には守るのが難しいこともたくさんありました。嘘をつかないようにしようと思っても、嘘をついてしまったり、他の人を傷つけるようなことを言ってはいけないと知っていても、悪口を言ってしまったりしました。何よりも神様のことを一番に考えなければいけないと知っていても、自分の楽しいことを先にしてしまったりもしました。私たちも同じで、弱いところがたくさんあります。だから、神様のルールである律法をシッカリ守った人だけが救われるというのなら、誰も救われなくなってしまいます。でも神様は私たちのことを大好きだから、神様のために何かをしたからでも、ルールを守ったからでもなく、何もできなくても、弱くてルールが守れなくても、それでも赦して下さって、救って下さいます。神様は皆のことを大切にして下さいます。一人ぼっちになったお友だちを助けたいなと思ったのに、勇気がなくてできなかったとしても、私たちの心の中まで知っていて、喜んで下さる方です。私たちの努力ではなく、神様の一方的な恵みで、私たちを救って下さる方です。主にあって大丈夫。神様は最善にして下さいます。信じてご一緒しましょう

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日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2021.10.23 by nk

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