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聖霊降臨節第22主日礼拝 説教「異邦人伝道の光」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2021年10月17日
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使徒言行録 第13章44節~52節
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「異邦人伝道の光」 要約
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① 信徒伝道週間(23日迄)、教育週間(24日迄) |
神様の愛を伝えるために、自分の住んでいる場所を離れて外国に行く人を宣教師と呼びます。1879年、長崎に一人の宣教師が来ました。名前はエリザベス・ラッセル、43歳でした。先生は長崎に来てすぐ、女の子のための学校を始めます。子どもを生んで育てる女性にこそ一人一人を大切にし、愛し合うことを教えるキリスト教の教育が必要だと考えたからです。生徒は最初たった一人でしたが、少しずつ増えていきました。生徒がたくさん集まるようになると、それをうらやましく思った周りの人たちが悪口を言うようになります。でもラッセル先生は懸命に生徒たちに神様の愛を教えました。そして40年働いて83歳の時、アメリカに帰っていったのです。どうして先生は言葉が通じない場所で悪口を言われても頑張れたのでしょうか。それは、まだ神様を知らない日本の生徒たちに神様の愛を教えたいという強い気持ちとそれを助ける聖霊の力があったからです。先生が建てた活水学院は今も、140年を超えて神様の愛を伝え続けています。 |
② 宣教活動を始めたパウロ |
パウロは「パウロと呼ばれていたサウロ」(13:9)とあるように、もともと二つの名前を持って
いました。ユダヤ名がサウロ、パウロはローマ市民としての名前で「いと小さき者」という意味です。「ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まってきた」(44)とあるように、パウロとバルナバは評判となり、多くの聴衆を集めていました。が、それを快く思わないユダヤ人がいたのです。パウロとバルナバは「わたしたちは異邦人の方に行く」(46)と宣言します。この異邦人とは、ユダヤ人以外の人たちのことです。現在では聖書は多くの言葉に翻訳され、世界中の人たちがイエス様について知ることができますが、最初の教会ができた頃には、ユダヤ人以外の人は神様に救われることがないと思われていました。異邦人も救われるとパウロたちが語るのを聞いて、ユダヤ人たちは怒って反対したのでした。一方のキリスト者たちは恵みも含めて、分かち合うことに熱心でした。キリスト者は、扉は広く開かれなければいけないと知っていたからでした。 |
③ 異邦人伝道の光 |
「わたしは、あなたを異邦人の光と定めた、あなたが、地の果てにまでも 救いをもたらすために」(47)。イザヤ書42章6節、49章6節、ルカ福音書2章32節は、神の僕であるメシア、つまりイエス・キリストについて語られていますが、ここでパウロはその言葉を自分たちに適用し、メシアは国々の光であり、自分たち使徒はこの光を伝道によって世に示すものであることを表したのです。「永遠の命を得るように定められている人は皆、信仰にはいった」(48)も、使徒たちはイエス様の教えに忠実でした。「喜びと聖霊に満たされていた」(52)弟子たちには、このアンティオキアの地でキリストの弟子となった異邦人も含まれています。また、「喜び」は、聖霊の働きによって信仰を得た喜びです。迫害という厳しい状況の中でも、聖霊はバルナバとパウロと共にいて、二人を見捨てることなく臨んでおられました。宣教を励ましてくれるのが聖霊の力です。迫害の中にあっても、パウロやバルナバが喜びと聖霊に満たされたように、今ここに座しておられる皆さんお一人ひとりも、どんな困難な状況にあっても、聖霊の助けによって、勇敢にイエス様の教えを一人でも多くの人に伝え、思いやりのある行動や祈りで、宣教の業に加わりましょう。
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