印刷用PDF |
聖霊降臨節第19主日礼拝 説教「きみと行くよ」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2021年9月26日
|
マルコによる福音書 第12章28節~34節
|
|
「きみと行くよ」 要約
|
① 律法学者とイエス様の対話 |
同じ物語がマタイとルカにもあります。ルカでは二人の対話が有名な「善いサマリア人のたとえ」へとつながります。またマタイとルカの律法学者は、イエス様を「試す」ために質問したのですが、マルコは「試す」という言葉はありません。イエス様の答えを聞き、自分なりに答える律法学者の言葉にも、イエス様への批判めいた思いは見られません。直前のサドカイ派との「議論を聞いて」イエス様に質問している様子からも、「御心を知りたい」と真摯に願う純粋な人と見受けられます。彼の質問は「第一の掟はどれか」、613もある掟の中で一番大切なものを尋ねています。それに対し、イエス様は「第一の掟はこれである」と語って申命記6章4~5を引用し、続けて「第二の掟はこれである」と語って、レビ記19章18節を引用されています。どれが第一かとの質問に二つ目を答えていることにちぐはぐな印象を受けますが、(1)誠心誠意神様を愛する事。(2)隣人を自分のように愛する事。この二つは切り離せないものだと言っているのです。 |
② 最も大切な教え |
私たちも「聖書の中で、最も大切なお約束は何?」って知りたいですよね。イエス様はおっしゃいました。「ただ一人の神さまを信じることです」。なるほど神さまはお一人です。他にもたくさん神さまがいそうですが、本当は、神さまはお一人なのです。だから、その神さまを信じましょう。それともう一つ、「お隣の人を大事にして下さい」ともおっしゃいました。お友だちのこと、お父さんやお母さんのこと、兄弟や姉妹のことを愛しなさいということです。神さまの国に入るには神さまのお約束を守らなければなりません。でも、その約束は613個もあって守るのは大変ですよね。その中で、イエス様は「最も大切なお約束は、神さまを愛しなさいという約束と、隣人たちを愛しなさい、というお約束です」と教えて下さいました。イエス様は私たちを神さまの国へ入れるために来て下さいました。イエス様は、神さまの国に着くまで、一緒に歩いて下さいます。私たちはその道をご存じのイエス様と一緒に歩くのです。イエス様に励まされながら。 |
③ きみと行くよ |
今は「心の時代」から「命の時代」へ移っています。「“心がけて”善く生きる時代」から、更に進んで、「“命かけて”愛神愛隣を実践する時代」へと移ったということでしょう。ここに座しておられるあなた方は、ご自分のことをどう思って生きていらっしゃいますか?ご自分のことを好きになって、素直になって、優しい気持ちになれて、明るく、いきいきと毎日を輝いて生きていらっしゃいますか?神さまは、あなた方お一人ひとりに対して、説明書を付けていらっしゃるということです。それは、どういうことかと言いますと、おいしいカステラをいただいたとします。それは桐の箱の中に入っていて、開けてみますと、カステラはなく、箱の中には、美味しいカステラの説明書だけ、ということです。どういう説明書かといいますと、「あなたは、神の宝物だ。神が心を込めてあなたを造った。神はあなたの名前をちゃんと覚えていて、あなたの名を呼ぶ。神の目にあなたは特別なのだ」。あなたは<世界中に一人しかない尊い、かけがえない大切な一人>。という神様の御心が記された説明書なのです。ならば、私たち、罪を赦され、神の御国に入る喜びを望みとして、主に従って「きみと行くよ」とイエス様と共に歩いて行きましょう!
|
|