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降誕節第7主日礼拝 説教「神の愛に信頼する」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2021年2月7日
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ローマの信徒への手紙 8章38節~39節
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「神の愛に信頼する」 要約
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① 聖書を知る |
8章31~39節に「神の愛」と小見出しがあります。神の愛と言えば、ヨハネ3章16節を、そらんじておられる方も多いでしょう。パウロは、現実の困難をよく知っていたので、「神、もし我らの味方なら誰か我らに敵せんや」(31)、「私を義として下さるのは神です」(33)、「キリスト・イエスが、神の右に座っていて、私たちのために執り成してくださる」(34)と述べています。故に、どんな困難に遭っても私たちは神の愛によって勝利を収める、と神の愛を絶賛しています。今朝の聖書箇所は神の愛の賛歌の頂点です。彼は「わたしは確信している」(38)と語り始めます。その確信の内容が38後半~39節です。どんな力も、私を神の愛から切り離すことはできない。「死も、命も、天使も、支配するものも」(38)、「高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も」(39)。これらは、私たちを支配しようとする諸勢力の事です。「天使」とは、霊的な力の事です。すぐ前の35節で、パウロは、実際に経験した苦難の数々を延べています。 |
② 聖句を思いめぐらす |
「どんな被造物も・・・神の愛から、私たちを引き離すことはできないのです」。2020年の初めから、新型コロナウイルス感染症が、世界中で大流行しています。「パンデミック」という言葉を聞きます。「病気の世界的大流行」という意味です。個人的な困難だけでなく、世界的な異常気象による災害や感染症パンデミックの不安もあります。昨年来の新型コレラウイルス感染症など、世界は、そして私たちは今、さまざまな困難に出会っています。世界は滅びに向かっているのでしょうか?実はこのパンデミックを人々は昔から何度も何度も経験しているのです。昔、ペストという病気が大流行しました。ヨーロッパでは、三人に一人がペストで死んだと言います。ペストだけではありません。コレラも一時は、世界中で大流行しました。何度もパンデミックは起きたのです。教会は、そのたびに、人々を励ましてきました。パウロは断言します。「神は、ご自分がお造りになった世界を滅ぼしはなさらない」。私も確信しています。「神は愛の方」ですから。 |
③ 神の愛に信頼する |
『三本の木』という話があります。山の上でそれぞれの夢を描いて育った三本の木。けれども赤ちゃんのベッドになりたいと願った木は家畜の「えさ箱」に、宝を積む王様の船になりたいと願った木は「小さな舟」に、ずっと山に立っていたいと願った木は、材木にされ、十字架の形に組み合わされました。三本は自分の願ったような人生にならなかったけれど、神の愛に信頼して待っていました。何年もたって神様の不思議な計画が実現します。「えさ箱」(かいばおけ)はイエス様を寝かせるベッドになりました(ルカ2:8~16)。「小さな舟」は天地を治める王であるイエス様を乗せました。この小舟はどんな宝物よりもすばらしいイエス様を乗せることができたのです。しかも小舟の持ち主のペトロは、その時からイエス様に従っていくりっぱな弟子になったのです。そして十字架の形に組み合わされた三番目の木には、一人の男が釘付けにされました。木は恐ろしさに震えました。しかし三日後、その男は神様の子としてよみがえりました。人々は三番目の木、十字架を見る時、神様のことを考えるようになりました。あなたの人生がうまく運んでいないように思われる時、神はあなたのために計画を持っておられる事を常に覚えておきましょう! |
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