主日礼拝 説教抄録  2020年度
    
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     降誕節第6主日礼拝 説教「世界が苦しんでいる」

日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2021年1月31日

 ローマの信徒への手紙 8章22節

「世界が苦しんでいる」 要約
① 聖書を知る
 「ローマの信徒への手紙」は、新約聖書中、最大のものであり、内容的にも最重要なものです。しばしば「キリスト教教理綱要」と言われて神学書のように扱われます。がパウロが書いた「手紙」で、彼自身が設立したのでない「教会」に送られた唯一の書簡です。パウロは元来「他人の築いた土台の上に建てたりしないで、キリストの名がまだ知られていない所で福音を告げ知らせようと熱心に努めて来た」(15:20)。「しかし今は、もうこの地方に働く場所がなく、その上、何年も前からあなた方の所に行きたいと切望していた」(23)ので、スペイン伝道への夢実現の旅の途中、当時の地中海世界の中心であるローマに立ち寄り、その他の教会の協力を得ようとしたパウロが、その事に先立って、ローマ教会宛の手紙を書き、自分を紹介し、自分の宣べ伝えている福音の基本を示し、信仰の交わりを得ようとしたのです。これはパウロの第三伝道旅行の終わり頃の事で、コリントに三か月間滞在した折、紀元55~56年頃の事と思われます(使徒20:3参照)。
聖句を思いめぐらす
 今日の聖句に「被造物」という言葉があります。「被造物」とは神様によって創造されたものという意味です。即ち、この世界中の命あるもの、自然界すべてが「被造物」なのです。その被造物が「今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっている」(22)とあります。神に造られたものが何故「苦しむ」のか。その理由は、「被造物は虚無に服している」からだと。「虚無」とは「空しい」という意味ですが、「挫折している」という意味もあります。このまま進んでいっても挫折だけだというのです。なのに、「服している」。これは「いやいやながらもその状態に置かれている」という事です。被造物は、本当は挫折へ向かう道から脱出したいと願っていると。私たちの日常感覚では、自然がうめき苦しんでいると思うより、むしろ私たちが自然に苦しめられていると考えがちです。が、自然災害や気候変動による被害を大きくしているのは人間にあるのかも知れません。自然を神様が望まれた本来あるべき姿に戻す事が大切ではないでしょうか。
③ 世界が苦しんでいる 
 あるキリスト教主義の保育園での話です。信生くんは、大好きなお友だちとけんかをしてしまいました。どうしても「ごめんね」が言えないまま保育園から帰ってきました。信生くんの心はとっても寂しい気持ちでいっぱいです。「どうしたらいいかな~。保育園の礼拝では『仲良く遊べますように』って、先生がお祈りしてくれるけど、お祈りしたら、ほんとに仲良くなれるかな~」と、とっても心配です。そんなとき、別のお友だちが「信生くん、遊ぼう!」といって来たけど「気乗りしない」と言っちゃった…。「困ったな~。どうしたら仲直りできるかなー」。信生くんから、いつもの笑顔が消えました。こんな時あなたなら、どんなお祈りをしますか。心配しなくて大丈夫ですよ。神様は、いつもみんなのことを見ていてくださるよ。先生が「仲良くできますように」とみんなのために祈ってくれた言葉と同じようにそのまま祈ってごらんなさい。不思議な風がピューと吹いてきて、なんだか勇気が出てきますよ。明日はきっと「ごめんね」って言えるよ。そう言って一緒に祈りましょう!世界が苦しんでいる事は、身近な出来事を通して子供たちも共感してくれることではないでしょうか?一緒に祈ることができればいいな、と思います。

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日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2021.1.30 by nk

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