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降誕節第4主日礼拝 説教「神様はご自分の手で」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2021年1月17日
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イザヤ書 45章12節
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「神様はご自分の手で」 要約
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① 聖書を知る |
イザヤ書40章以下は、私たちを救い出して下さる確かな救いの根拠としての神様による世界の創造が語られています。特にそれは今朝の45章によく表れています。「光を造り、闇を創造し、平和をもたらし、災いを創造する者。私が主、これらの事をするものである」(7節)と、神様が世界を創造され、更に平和や災いの時をも導いてきておられる事が述べられています。その創造主なる神様が、新しくこの世界を救い出すために「油を注がれた人」(1節)を起こされる事は当然ではないかと告げられています。12節についても同様です。直前の11節で「あなたたちはしるしを求めるのか。私の子ら、私の手の業について私に命ずるのか」と言われている言葉からは、当時の人々が神様への不満を述べていた事が分かります。そうした不満に対して、12節で「大地を造り、その上に人間を創造したのは私」ではないかと言われます。神様こそ天地を創造され、私たち一人ひとりを造られた方です。神様にできない事はありません。信じて待つ事が大切です。 |
② 聖句を思いめぐらす |
12節の「自分の手で天を広げ、その万象を指揮するもの」とは、神様がこの世界を創造されただけでなく、そのあらゆる自然現象や天体の動きをも支配され、導いておられるという事を示しています。「指揮する」という言葉の原文は「呼ばわり叫ぶ」という意味です。神様は自らの言葉を用いて、この世界の神羅万象を創造し、今も導いておられるという事です。ここに、天地創造に関する大事なメッセージが込められています。それは言葉による創造です。創造は先ず言葉から始まりました(創世記1)。イザヤ書48:13にも「私の手は地の基を据え、私の右の手は天を延べた。私が彼らに呼びかけると、共に立ち上がる」とあります。これがヨハネによる福音書の冒頭「初めに言があった。万物は言によって成った」へとつながっていく事は、お分かりでしょう。神様がご自分の手でこの世界を造られたという言葉も素晴らしいものです。神様が手づくりして下さった世界そして人間は、神様の尊い作品として価値高いものなのです。 |
③ 神様はご自分の手で |
人間は新幹線を作り、飛行機も作りました。私たちの周りには人間が作ったものが沢山あります。でも、人間が作る事が出来ないものがあります。例えば、空の鳥は美しい羽根で自由に飛び回ります。野の花は、いろんな色でかわいらしく咲いています。海の魚、農作物その他いろいろ。人間は育てる事はできても「種」を作る事はできません。種を作り、人間がいろんなものを育てる事ができる知恵を与えて下さるのは、神様です。神様の助けがなければ、人間は何一つ生み出すことができません。人間は、神様がご自分の手で造って下さったのです。私たち一人ひとりが顔や性格もみんな違っているという事が、正に一人ひとりが神様の手造りだという事を示しています。聖書に「(神は)あなたを見放すことも、見捨てられることもない」(申31:8)とあります。イザヤも「神はあなた方の年老いるまで変わらず、白髪となるまで、あなた方を持ち運ぶ。私は造ったゆえ、必ず負い、持ち運び、かつ救う」(口語訳46:3-4)と記しています。私たちは年老い、衰えていくけれども、私たちを背負い、持ち運んで下さった神様は「年老いるまで変わらない」とハッキリ宣言しています。この御言葉に感謝しつつ、信じて、ご一緒してまいりましょう! |
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