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聖霊降臨節第3主日礼拝 説教「私はキリストの友です」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2020年6月14日
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ヨハネによる福音書15章11~17節
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「私はキリストの友です」 要約
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① 逆転の発見 |
ぶどうの木と枝の御言葉を聴き、深い感謝と感動の内に過ごした一週間でしたが、この間、知らず知らずの内に主の御心よりも自分の思いを強くし、罪や過ちを犯し、主の御心を痛めたかも知れません。一人一人の心の内を点検し、悪いものを取り除き、主の憐れみと赦しによって今一度、清め、良いもので満たして頂きましょう!山浦玄嗣氏はこの所を「この俺(イエス)がお前たちを選んで言いつけた。俺の心に添いたいからと父様(神)に願う事なら何でも必ず叶う」と訳しました。ペトロはカヤパの中庭でイエスを三度裏切りました。ヨハネは「本当の裏切り者は私だ。ペトロは大声で『イエスを知らない』と言ったが、自分はヒソヒソ話で狡猾に裏切り、ペトロよりひどい裏切り者だ」と告白しました。ヨハネもペトロも裏切りを自覚し、後悔し、打ち砕かれた時、主の深い愛を示されます。逆転の発見です。後にヨハネは全く主の者となり、復活の力を頂いて新しい歩みを始めます。ペトロは聖霊降臨のその後に、世界中に出て行って伝道しました。 |
② これ以上に大きな愛はない(13節) |
「友のために自分の命を捨てる事。これ以上に大きな愛はない」。この言葉は有名です。1954年9月26日、日本を南から北へ縦貫した台風15号は各地に大被害を残すと共に、青函連絡船を函館港沖で沈没させ多くの遭難者を出しました。所謂「洞爺丸台風」です。この沈みゆく洞爺丸の船内で、おびえまどっている船客の中に二人の外国人宣教師の姿が人々の目に残りました。彼らは途方にくれている婦人や子供たちを励まして海に飛び込ませ、また自分の着けていた救命具を他人に着けさせたりしていました。台風が治まった翌朝、函館の浜辺に流れ着いたなきがらの中に二人の外国人のそれが発見されました。二人の宣教師のうち一人は学生YMCA同盟主事であったリーパー氏であり、もう1人は東京の中央農村教化研究所の所長であったアルフレッド・R・ストーン博士でした。この出来事は、そのおかげで自分の命を救われた者をも含む目撃者の口から伝えられ新聞にも報道され、三浦綾子著『氷点』にも登場しました。 |
③ 私はキリストの友です |
大いなる愛の実話です。私もそうありたいと願います。が、人の愛には限界があり、これ以上の愛は人には不可能です。今朝の聖書は、主イエスが弟子たちに(私たちに)神の愛(アガペー)を語ったものです。決して、「大勢のために犠牲になれ」といった類の、「博愛精神」や道徳的な教説を、主イエスの言葉として、『ヨハネ』がここに記録しているのではありません。「私(イエス・キリスト)があなた方を愛したように、互いに愛し合いなさい」「友(である私たち)のために命を私(キリスト)は捨てる」、「もはや、私はあなた方を僕とは呼ばない…友と呼ぶ」。そう言って下さるのは主イエスです。主イエスは主ご自身の「愛の本質」を、即ち神の愛を、弟子たち(私たち)に想起させているのです。主イエス・キリストは弟子たちのために、即ち私たちのために、ご自分の命を捧げられました。イエスにおいて私たち一人一人は神に選ばれました。神が私たち一人一人を、イエスにおいて、今こうして選び、生かして下さり、かけがえない、貴い、大切な一人一人として、キリストの友として下さっておられます。何という恩寵!何という絶対的な愛!これを受容しましょう!「私はキリストの友です」と、高らかに告白しようではありませんか!
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