主日礼拝 説教抄録  2023年度
    
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       受難節第1主日礼拝  説教「誘惑に勝つ」

                 日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
  2024年2月18日


聖書  マタイによる福音書 第4章1~11節


 1 さて、イエスは悪魔から誘惑を受けるため、
  “霊”に導かれて荒れ野に行かれた。
 2 そして四十日間、昼も夜も断食した後、空腹を覚えられた。

 3 すると、誘惑する者が来て、イエスに言った。
  「神の子なら、これらの石がパンになるように
                   命じたらどうだ。」
 4 イエスはお答えになった。
  「『人はパンだけで生きるものではない。
   神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』と書いてある。」

 5 次に、悪魔はイエスを聖なる都に連れて行き、
   神殿の屋根の端に立たせて、
 6 言った。「神の子なら、飛び降りたらどうだ。
  『神があなたのために天使たちに命じると、
   あなたの足が石に打ち当たることのないように、
   天使たちは手であなたを支える』と書いてある。」
 7 イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』
   とも書いてある」と言われた。

 8 更に、悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、
   世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、
 9 「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、
            これをみんな与えよう」と言った。
 10 すると、イエスは言われた。「退け、サタン。
  『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』
   と書いてある。」

 11 そこで、悪魔は離れ去った。
   すると、天使たちが来てイエスに仕えた。






         説教「誘惑に勝つ」 要約

イエス様のご受難
 レント(四旬節)に入りました。今週から、イエス様のご受難について聖書に聴きます。イエス様は、救い主として歩み始める第一歩が、既に「受難」でした。バプテスマのヨハネから洗礼を受けられて(3:13以下)すぐ、荒野に行って断食しました。40日間も飲まず、食べずにいて弱っている時、悪魔の誘惑に遭われます。イエス様を荒野へ導いて行った“霊”(1節)は、受洗の時イエス様に降った「神の霊」です。悪魔の誘惑に遭うのは神様の御心によることでした。これに打ち勝つ事により、イエス様が神の御子であることが明らかにされ、同時にイエス様に従う者をも襲う誘惑の正体を暴いて私たちも戦うことが出来るようにするためです。最初の誘惑は、石にパンになるように命じよというものです。パン(食べ物)が生きるのに不可欠なのを誰よりも神様がよくご存じです。神様の御心に従うことを第一にして与えられている使命を果たそうとして歩めば必要なものはお与え下さいます。その神様への信頼を捨て、使命よりパンを得ることを第一にせよというのです。      
② 悪魔の誘惑
 イエス様は、最初の誘惑に申命記8章3節(マタイ4:4)によって神様の言葉(御心)によってこそ人は生きるのだと退けました。すると悪魔はイエス様を神殿の屋根の端に立たせ、「ここから跳び降りよ」と。これは、神様が助けて下さるかどうかを試してみよ、という誘惑です。助けられればイエス様が神の御子である事の証明になり、今後の歩みの保証と安心になるというのです。これに対して、イエス様は、申命記6章16節(マタイ4:7)によって、試すのは信頼していない証拠であり、神様のお護りは、試す必要ない程、確かだ、と退けました。最後は悪魔を拝むなら世の全ての国々とその栄華を与えようというものです。悪魔の本当の目的は神様に背を向けさせ自分を拝ませる事でした。イエス様は申命記6章13節(マタイ6:13)によって、この世の全ては神様のものであり神様にのみ仕えなければならないと退け、誘惑に打ち勝ちました。パンより、高所から跳び降りる力より、沢山のものを持つ事より、「本当の神様を信じることの方が大切だ」とイエス様は教えています。
③ 誘惑に勝つ  
 始めの二つの悪魔の言葉は知らずに読めば誰も誘惑だとは思わないようなものです。生きる為には先ずパンを用意すべき、神様のお護りを信じる為には、先ず試してみなければ…。これは人間の普通の考えです。自分の力や考えこそ自分を生かすものだという大前提に立っていますが、それは違います。命を自力で得た人はいません。神様から与えられ、初めて生きる事が出来ています。しかも神様はその命を「独り子をお与えになった程」(ヨハネ3:16)愛しておられます。生きるに必要な事はすべて備えて下さらないはずがありません。それは試す必要などないほど明らかで、確かな事です。だから人は本来、神様から離れては生きる事が出来ないのです。生きているつもりで実は自分を正しく生かす事が出来てはいないのです。神様の護りを信じ、命の先行きを委ね、どう生きるべきか、先ず神様(聖書)から聞いて従おうとする時はじめて自分を正しく生きる事が出来るのです。悪魔は、その道から人を引き離す為に人の普通の考えを後押しし虜にしようとする見えない力です。イエス様は自ら悪魔の誘惑に遭って打ち勝つ事により、その正体を明らかにして下さいました。私たちも悪魔の誘惑を見抜き打ち勝つ為に先ず礼拝で神様の御心(聖書)を聴き従いましょう!

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 更新 : 2024. 2. 17  by mn

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