主日礼拝 説教抄録  2023年度
    
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   聖霊降臨節第19主日礼拝  説教「助け合って生きる」

                 日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
  2023年10月1日


聖書  マルコによる福音書 10章6~9節

「助け合って生きる」 要約
どういう状況でイエス様は6~9節の言葉を語られたのか
 1~12節迄で一つの話です。この話は北のガリラヤから「ユダヤ地方」(1節)へ、十字架の道へ向かっていた時に起こった話です。「ヨルダン川の向こう側」(1節)は、洗礼者ヨハネの活動地域。かつて洗礼者ヨハネは、ヘロデとへロディアの結婚を非難したために、殺されました(6:14~29)。だからファリサイ派の人々は、イエス様が洗礼者ヨハネと同じ場所に来た時に「試そうとした」(2節)のです。この議論でヘロデ批判をイエス様から引き出せれば、洗礼者ヨハネのように、イエス様を追い込むことができるという悪意がありました。ですから、2節のイエスさまへの質問は表面的な質問です。既に彼らは申命記24章1節を根拠に答えを持っていました。離縁状は、当時の社会にあって女性を守るためにあったと考えられていますが、ファリサイ派の人々は、離縁上さえ書けば、平気で離縁できるという悪意のある解釈をしたのです。それでもイエス様はご自身を傷つけてくる人々に向かって6~9節のように、創世記を引用しつつ人間の本質を語ります。            

人間の本質


 人間は、天地創造の最後に造られました。また、人間は「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう」(創世記2:18)ということで、男と女に創造されました。私たちは、いずれも違う人間として、神さまに創造されましたが、人間の本質は、「助け合う」ことにあります。「彼に合う」とは「向かい合う」という意味があります。男を助ける、ヘルパーのような存在として女が造られたのではありません。お互いが向かい合い、助け合うところに人間の本質があるのです。今朝の聖書箇所(6~9節)は、結婚式でもよく引用される御言葉です。結婚する男女が、お互いに支え合い、助け合って生きることの素晴らしさが語られています。けれども6~9節には、結婚する男女のことだけでなく、人間の本質、人と人が互いに向かい合い、助け合って生きることの素晴らしさが語られています。私たち人間は、傷つけ合い、離れ離れにあるために存在しているのではありません。お互いに、向かい合い、助け合うために、神さまに造られたのです。
③ 助け合って生きる
 離婚は、一緒に生きていくことが難しい、人と人が傷つけ合ってしまう現実があるという、とても重い話です。ファリサイ派の人々も、イエス様を傷つけようとして質問しています。離婚の話を聞き、更にファリサイ派の人々の心を見て、イエス様は、「心が頑固だ」、つまり、人と一緒に生きられない私たち人間の頑固で固い心があることを教えられました。イエス様は、傷つけようとしてくる人に向かって、愛を持って答えました。「天地創造の初めから、神は人を男と女にお造りになった」(6節)。神さまは、私たち人間が生きられる場所を先に造って、私たち人間を造ってくださった、という祝福をイエス様は語られました。私たちは「男と女」という風に、それぞれが違う人間です。私たちの周りには、いろんなお友達がいます。でも、神さまは、お互いが傷つけ合うために人を造ったのでなく、お互いが助け合って生きることができるように、一緒に生きる者として私たち人間を造った、とイエス様は教えてくれました。何よりもイエス様は私たちと一緒に生きて下さいました。そして最後に十字架にかかって、傷つけ合ってしまう私たちの罪を赦してくれたのです。イエス様が一緒に生きて、私たちを赦して下さったからです。ハレルヤ!

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日本キリスト教団  茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 9. 29  by mn

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