主日礼拝 説教抄録  2023年度
    
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   聖霊降臨節第4主日礼拝  説教「あなたを招くイエス様」

                 日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
 2023年6月18日


聖書  マルコによる福音書 第2章13~17節

「あなたを招くイエス様」 要約
レビという人
 カファルナウムにレビという人がいました。レビは道を通る人たちから税金を集める徴税人という仕事をしていました。みんな、レビにお金を払わないと、隣の町へ行くことも帰ってくることもできません。しかも、払ったお金はイスラエルを支配していたローマ帝国への税金でした。だからみんないやいやお金を払っていましたし、レビのことを、神様ではなく、ローマ帝国に仕える「罪人」だと嫌っていました。レビはいつも一人ぼっちでした。みんなから無視され悪口を言われるので、友達をつくることも諦めていました。でも心の奥底は寂しい気持ちでいっぱいでした。けれども、ある日、いつものように仕事をしていると、大勢の人がそばに近づいてくるのが見えました。「わたしに従いなさい」(14節)。突然呼びかけられたその声にレビはびっくり!思わずあたりを見まわしました。えっ、私に言ったの?今まで、誰からもこんな言葉をかけられたことはありません。けれども、声をかけた男は優しいまなざしでずっとレビを見つめています。            

レビは「立ち上がってイエスに従った」


 この徴税人レビがイエス様の弟子になったでき事です。3章13~19節に12弟子の名前が書かれている中にマタイはありますがレビはありません。レビ族のマタイと考えるとこのレビはマタイによる福音書9章9~13節のマタイと同一人物と考えることができます。他の福音書と比べてマルコだけが無条件に「罪人を招く」という記録になっています。浄土真宗の開祖親鸞の「悪人正機」や茶席の「悪人正客」に通じる考え方です。イエス様はレビが徴税人故に人々から受けてきた軽蔑や無視、そこから生まれてくる彼の深い孤独感と虚無感をすべてご存じでした。そのような闇の中にいたレビをイエス様は「わたしに従いなさい」と呼び、ご自身との深い交わりへと招かれました。招きを受けたレビが「立ち上がってイエスに従った」(14節)とあるのは、彼が単純にそのように行ったというだけではありません。「立ち上がって」には、受難予告での「復活する」と同じ動詞が用いられており彼が死から生へと立ち上がらされていった事を示唆しています。
③ あなたを招くイエス様
 イエス様はレビの家で一緒に食事をすることになりました。レビと同様、皆から罪人と呼ばれ、仲間はずれにされていた人たちも招いての楽しく嬉しい食卓です。するとファリサイ派の律法学者と呼ばれる人たちが、「どうして罪人たちと一緒に食事をするのですか?」とイエス様の弟子たちに怖い顔で質問をしてきました。イエス様はこう答えました。「わたしは罪人を救いへと招くために来たのですよ」。レビにとってこの言葉はとても嬉しい言葉でした。イエス様が「罪人」と呼ばれ、嫌われて、苦しんでいた自分たちのためにやってきた救い主だと言ってくださったからです。イエス様の言う「罪人」ってレビたちのことだけでしょうか?聖書は、人は皆、誰もが罪人だ、と言っています。神様の前において、全ての人は平等に罪人です。イエス様の十字架の救いも、全ての人に平等に示されているのです。聖書はまず、自分自身が、病の状態に陥っている一人の罪人なのだということに気付き、認めることの大切さを示しています。イエス様は、レビたちのため、ファリサイ派の律法学者たちのため、そして私たちのためにこの世にやって来られた救い主なのです。イエス様の招きを、この私たちへの呼びかけとして聞き取っていきましょう!

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 更新 : 2023. 6. 17  by mn

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