主日礼拝 説教抄録  2023年度
    
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            復活節第5主日礼拝 
 
          説教「神の国の開会宣言」

                日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
 2023年5月7日


聖書 マルコによる福音書 第1章14節~15節

「神の国の開会宣言」 要約
開会宣言
 2021年に、東京でオリンピックが行われました。テレビで観戦した人も多いと思います。あのオリンピックって、いつから始まるか知っていますか。実は、開会式の「ここに開会を宣言します」という言葉から始まるのです。あの頃は新型コロナウイルスが広がっていたので、観客もいませんでした。でも、たとえあれ以上ウイルスが広まったとしても、一度、開会宣言されたからには、そう簡単に「やっぱりやめます」とはなりません。開会宣言というのは、それぐらい重みがあるのです。今日の聖書のイエス様の言葉はもっと大事な開会宣言です。「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われました。いったい何が始まったのかというと、「神の国」の時代です。これは、オリンピックのように数週間で終わってしまうのとは違い、一度、宣言されたからには、永遠に続きます。「神の国」というのは、私たち人間ではなく、愛に満ちあふれる神様が王として支配してくださる国です。神様の愛にあふれた素晴らしい世界です。            

喜びへの回心

 「神の国が到来した」という宣言は喜びへの招きです。「悔い改めよ」という命令は喜びへの回心を呼びかけです。「悔い改めなさい。福音を信じなさい」と言われていますが、悔い改めることと、福音、即ち、喜びの知らせを信じて受け入れることとは、一つのことです。悔い改めは、私たち人間の業ではない。私たちは悔い改めねばならないのではない。悔い改めは、私たちに負わされている重荷ではない。そうではなく、イエス様が私たちの所にまで来て下さって、恵み深く私たちに御顔を向け、両手を広げて私たちを招いていて下さる。私たちは何の功もないままに、このお方のもとに立ち帰ることが許されている。心の向きを変えて(=悔い改めて)このお方のもとに帰って行くことは、喜びなのです。悔い改めるとは「美しくなかった古い時から、神様が私たちのために切り開かれる新しい時への喜ばしい移り行きである」(バルト)。「悔い改めとは、子どもが父親のもとによって生きるように、神の豊かさによって生きることである」(ボーレン)。
③ 神の国の開会宣言
 「神の国」は愛に満ちあふれる神様が王として支配して下さる国。神様の愛にあふれた素晴らしい世界って、何だかワクワクしますね。世界の色々な国を見ても、そのような国は見当たらないように思えるかもしれませんが、もう始まっているのです。それまで、イエス様がお生まれになる前から、神様の言葉を預かってみんなに伝える預言者や洗礼者ヨハネという人たちによって、神の国は準備がされてきました。が、イエス様が地上に来られて、「時は満ち」と最初に開会宣言をされたことによって、神の国の時代が始まります。もう後戻りすることは、決してありません。実は「近づいた」というのは、「来た」と言ってもよい言葉です。例えば、学校で教室にいる時に、先生の姿が廊下から見えると、「先生が来た」って言うでしょう。実際には先生はまだ教室の中にいないのに「来た」って言われると、皆、休み時間から勉強の時間へと、気持ちが変わると思います。それと同じように、「神の国が近づいた」と聞いたならば、もう神様のことを知らん顔はできません。なぜなら神の国は「神の福音」と言われるように嬉しい知らせだからです。しかも、イエス様ご自身が神の国を知らせ、福音となって下さいました。私たちも安心して信じましょう。

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牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 5. 6  by km. mn

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