主日礼拝 説教抄録  2022年度
    
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        復活前第5主日(受難節第2主日)礼拝 
        
         説教「神の国はもう来ている」

               日本基督教団 茅ケ崎堤伝道所
                     
 2023年3月5日


聖書 ルカによる福音書 第11章14~26節

「神の国はもう来ている」 要約
ベルゼブル論争
 ここには、悪霊によって口の利けなくなっていた人を癒されたイエス様に文句を言ってきた人の姿が記されています。ここでイエス様が示されたのは力強い「救いの宣言」でした。イエス様の奇跡の業を見て、みんな驚きました。でも群衆の中には、「あの男は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」(15)と言う者や「イエスを試そうとして、天からのしるしを求める者」(16)がいました。彼らをマルコは「律法学者」と記し、マタイは「ファリサイ派の人々」と記し、ルカは何も記していません。この時代のユダヤ教には、イエス様と同じように悪霊を追い出す者がいました。彼らは魔術の知識に長けたソロモン王の名によって聖霊を追い出しており、ユダヤ教の中で自分の地位のことで、いつも言い争っていたようです。つまり、イエス様が語られた「内輪で争えば」(17)とは、彼らの中で起こっていた権力争いのことだったのです。しかしイエス様は、単にその内輪もめに対する話だけでなく、その問いを通して、神の神秘を語られたのでした。             
イエス様の奇跡の業
 たった今、悪霊を追い出してもらい病気が癒された人が目の前にいるのに、イエス様の奇跡を見て文句を言った人がいました。この人たちの関心は別のところにありました。それは、「私たちはイエス様より、もっとすごいことができる」という気持ちです。皆さんも、お友だちとケンカをしてしまったり、言い合いになってしまったということがあるのではないでしょうか。本当は心の中で、すごいなと思っていても、「私の方が、もっとすごいもん」と、意地をはって、お友だちとケンカをしてしまう経験です。イエス様は彼らに対して、そうやってケンカしていては、すべての関係が壊れてしまうよと教え、神様の救いの業を語られました。イエス様の奇跡の業は、「神の指」によってなされたものです。イエス様は彼らに「神の国はあなたたちのところに来ているのだ」と語られました。つまり、このイエス様の奇跡は、「神様と病気が癒された人」という個人的な事柄ではなく、「神様と私たち」という、この世界すべてを包み込む事柄だったのです。
③ 神の国はもう来ている
 今朝の聖書にはイエス様に文句を言ってきた人に対して、「神の国はあなたたちのところに来ているからだ」(20)と救いを宣言されるイエス様の姿があります。私たちはイエス様によってなされた癒しの業をイエス様とその癒された人との間で起こった「個人的な出来事」として読みがちですが、イエス様は、この「神の指」によってなされたしるしによって、すでに「神の国」は私たちのもとに来ている、と語られました。つまり、イエス様の奇跡の業は、サタンの力でもなく、ベルゼブルの力によってなされたものでもありません。繰り返し言いますが、「神の指」によってなされたもの、「神様と病気が癒された人」という個人的な事柄ではなく、「神様と私たち」という、この世界すべてを包む事柄だったのです。私たちは今、イエス様と共にレント(四旬節)を歩んでいます。イエス様の十字架の苦しみを思い、自分の罪と向き合う時です。このイエス様の十字架は、先程の奇跡の出来事と同じように、「イエス様と私」との関係であるとともに、「イエス様と私たち」というこの世界すべてにつながる救いの出来事です。私たちの周りで起こる小さな奇跡を見つけながら、救いを宣言されるイエス様に続いて、イースターへの旅を続けましょう!

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日本キリスト教団  茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 3. 4  by km. mn

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