主日礼拝 説教抄録  2022年度
    
印刷用PDF

 
    降誕節第7主日礼拝  説教「平和を得るために」

             日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                     
2023年2月5日

ヨハネによる福音書 第16章33節

「平和を得るために」 要約
マルチン・ルーサー・キング牧師(1929~1968)
 キング牧師は黒人としては世界で3番目、アメリカでは最年少(35歳)のノーベル平和賞受賞者。自らの運動の哲学としてきた<非暴力主義抵抗>と<イエスの愛>の精神に立って、徹底的に自由と平等、愛と平和のために身を捧げました。白人の差別主義者に暴力をふるわれても、暴力で返すことをしませんでした。キング牧師はバス、レストラン、学校等あらゆる場所でこのような抵抗を実践しました。そのため何度も暴行や脅迫を受けました。その一つは、彼がハーレムという黒人街で、同じ黒人の婦人にナイフで刺され瀕死の重傷を負いましたが、奇跡的に癒される中、加害者の婦人を責めないように人々に頼んだ事です。十字架上のイエス様に似ています。もう一つは、公民権運動を展開する中で、幾度か逮捕され投獄されましたが、キング牧師は自分達の究極の目的は、愛の協同体を造り出すことであると叫び続けた事です。讃美歌21―471番はその時の叫び声です。彼は1968年4月4日メンフィス市で何者かに暗殺されました。まだ39歳でした。             
しかし、勇気を出しなさい
 今朝は、主イエスが十字架にかかられる直前、弟子達に語られた最後の言葉です。誰の言葉でも最後の言葉は重大に受け止められます。「勇気を出しなさい」と言って下さるのは主です。その時、主は「しかし」と言われます。「しかし」と言わねばならない現実を主はご存じです。「あなたがたには世で苦難がある」事、私たちはその苦難に対して強くない事を主は知っておられるので、「しかし、勇気を出しなさい」と言われます。「世に会って苦難」を経験する事を避けよとは言われません。苦難を受ける事は避けられない事です。世にある苦難に、信仰者も教会も与からねばなりません。病があり、争いがあり、試練があります。家族や友人が苦難を受ければ、私達もそれを避けるわけにはいきません。問題は「世にある苦難」の時、それだけでなく、同時に「主の勝利」に与っているかという事です。主イエスの十字架に示された愛と力の勝利に与っているかです。苦難がありながらも、同時に主の勝利に与っているなら、そこに、勇気が湧くのです。
③ 平和を得るために
 今日の聖書の御言葉では、イエス様は、困っている人にこう言って下さっています。「しかし、勇気を出しなさい」「わたしは既に世に勝っている」、つまり、この世界中どこを探しても、私より強いものはいませんよと言って励ましていらっしゃいました。イエス様は、そうやっていつも私たちに声をかけて、励まして下さいます。だから、私たちに恐いものはありません。「勇気百倍」「元気百倍」です。悲しい事があったり、自分の力だけではどうすることもできないと思う時にも、イエス様の愛が何よりも強いと思い出しましょう。イエス様が「きみが好きだよ」「きみはだいじ」「勇気を出しなさい」と励まして下さっていると思えば、勇気が湧いてきます。平和を得るために大切な事は、神様の愛を受けた私たち一人一人が、今度は、勇気を持って周りの人たちを大切にする事だと思います。人は、誰一人、同じではありません。みんないろいろな考え方や思いを持っています。それを認め合って、お互いに「あなたはどう思う?」って、相手に聞く事ができるといいですね。自分の思いを伝えたり、相手の思いを尋ねたりする事って大切だと思います。私たち一人一人がみんなを大切にし、一人一人が自分の周りに平和を作っていきたいですね。

〒253-0006 神奈川県茅ケ崎市堤19-6
TEL/FAX 0467-54-1300
日本キリスト教団  茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠、伝道師 細井 宏一
 更新 : 2023. 2. 4  by km. mn

Copyright 2010 Chigasaki Tutumi Dendosho  All Rights Reserved