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受難節第2主日礼拝 説教「イエス様の本当の姿」
日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2022年3月13日
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マルコによる福音書 第3章20節~27節
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「イエス様の本当の姿」 要約
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① 「神様の力」によって悪霊を追い出す |
今朝の出来事は、一軒の家の中で起こります。この家は、カファルナウムにあるシモンとアンデレの家(1:29)です。少し前シモンのしゅうとめが熱を出して寝込んだ彼女をイエス様が癒された、その家に群衆が集まって来たのです。二つのグループが登場します。《群衆と弟子たちのグループ》と、《イエス様の家族と「エルサレムから下って来た律法学者たち」から成るグループ》です。二つ目のグループは、イエス様のことを「気が変になっている」「ベルゼブルに取りつかれている」等と見ています。イエス様の身内にとってイエス様のなさりようは、自分たちが知っている“イエスちゃん”から外れた、自分たちの知らないイエスに見えたので、「気が変になっている」と思ったのです。中央から来た律法学者たちは「ベルゼブル(悪霊のリーダー)に違いない。だから、悪霊を追い出すことができるのだ」と悪口を言ったのです。勿論イエス様は悪霊のリーダーではありません。神様のお力によって悪霊を追い出し、人々の病気を治して下さっていたのです。 |
② 不思議なわざを行なうイエス様 |
「さあ、今からイエス様のことを紹介してくださいね」と言われたら、私たちはどんなふうに紹介するでしょうか。聖書にはイエス様のことが書かれていますが、実はその紹介の仕方もいろいろです。ここでは、イエス様の周りにいる人たちが、イエス様にについて語ります。まず目につくのは、イエス様の家族がイエス様のことを聞いて「取り押さえに来た」というところかもしれません。「あの男は気が変になっている」と聞くと、びっくりしてしまいますね。すでにイエス様は、沢山の人に神様のことをお話ししたり、多くの人たちの病気を癒す働きをしておられました。みんなはそれをとても喜びましたが、中には心配になる人たちもいたようです。イエス様の家族や律法学者の人たちです。イエス様のお姿を見て、なんだか変だぞ、何かおかしなことが起こっているに違いない、と感じたのです。そのおかしなこととは、よく分からない事、見たことがない事だったようです。しかも悪霊を追い出すという不思議なわざを行っておられたからです。 |
③ イエス様の本当の姿 |
悪霊を追い出すという不思議なわざを行っておられるイエス様を見て、あの自分たちがよく知っているイエス様が「悪霊を追い出す力を持っているはずがない。あのイエスはきっと強い悪霊を自分の中に持っているに違いない」と言い始めたのです。そこで、イエス様は〈家〉のたとえ話でお答えになりました。悪霊とは、私たちの心を神様から離そうとするもの、神様の力なんか信じなくてもいいよと誘うものです。そんな悪霊が仲間同士で喧嘩してばらばらになってしまったら、家を治めることなんかできなくなってしまうではないか。ならば悪霊を追い出して、本当に家を治めるためには悪霊よりももっと強い、本当に支配するものがやって来なければならない。その悪霊以上のもの、悪霊よりも強いものとは、真の神から来たわたしだ、と言われたのです。強い悪霊を追い出すことができるのは、それよりも強い力です。人間の力では無理です。でもイエス様は、神様の力によって悪霊を追い出して下さいます。私たち人間は神様の恵みの中で生きることができるのです。イエス様の本当の姿を見間違えないように、常にみ言葉に聞きましょう!
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