主日礼拝 説教抄録  2021年度
    
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    降誕節第3主日礼拝  説教「『神の国』へ行こう」

                日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                        2022年1月9日

  ヨハネによる福音書 第3章3節~5節

「『神の国』へ行こう」 要約
① ニコデモという人
 ニコデモは、子どもの頃から聖書をよく読み、聖書の勉強もたくさんしてきました。だから神様のことも神様の国のことも、よく知っているつもりでした。彼はユダヤ人の議会(サンヘドリン)の議員で、ユダヤ教の律法を厳格に守るファリサイ派に属するユダヤ人の指導者でした(1)。7章50~51節では、イエス様のことを悪く言う同じ議員やファリサイ派の人たちからイエス様を守ろうとしています。19章39~40節では、十字架から下ろされたイエス様の遺体を丁寧に埋葬しています。ニコデモは、ある夜、イエス様のもとに行きました。彼は、イエス様をラビ(ユダヤ人が自分にとっての「先生」を呼ぶ時の言葉)と呼び、いかにもイエス様が神の子であることを知っているようなことを言います(2)。しかし、実際にはイエス様の言うことが全く理解できません。イエス様が言われる「新たに生まれる」(3)ということを、地上の生をもう一度初めからやり直すという意味に取ります。彼は神様のことも神様の国のことも何も分かっていないのです。
新たに生まれる
 皆さんはお母さんから生まれてきました。お父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんも昔は赤ちゃんとして生まれてきたのです。イエス様から「新たに生まれなければ、神の国を見ることは出来ない」という事を聞いたニコデモは、イエス様に、「もう一度、お母さんのおなかから生まれる事なんて出来っこない!」と幼稚な発言をします。しかしながら、イエス様がおっしゃった「新たに生まれる」の「新しく」(アノーセン)の意味は、「再び、上から」という意味で、神様の前に悔い改める事なのです。「神の国」というのは、人間の思いや考えではなくて、神の”み心”が最優先にされるところです。イエス様は、更に「はっきり言っておく。だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることは出来ない」(5)と続けました。「水」は汚れを洗い落とす事ができます。「霊」は神様の力です。イエス様は<誰でも神様の前に罪を悔い改めて、神様の力によって、新しく生まれ変わらなければ、神の国に入る事はできない>とお答えになりました。
③ 『神の国』へ行こう
 イエス様の答えから推測して、ニコデモのイエス様への問いは、「神の国に行くにはどうすればよいか」という事でしょう。「富める青年」の問いや律法学者の「何をしたら永遠の命が受けられるか」(ルカ10:25)という問を思い出します。心ある者の願いです。ニコデモも新生の願いを抱いている。彼は既に相当の年齢でしょう。人生をよく知っている。「新しく生まれる」事は不可能だと思っている。そういうあきらめを持ちつつ、尚、微かな期待を抱かずにはおれない彼はイエス様に「もう年をとってしまった私が、母のおなかからもう一度生まれ変わるなんて出来ない!」。彼の言葉には、彼の「夜」(世の闇とユダヤ教の無知)が秘められています。イエス様は「上より生まれなければならない(デイ)」(7)と言われました。<ニコデモが、知っているつもりになっている心を洗い流して、心を空っぽにすれば、本当の神様の国を知ることができるよ>、と教えて下さったのです。イエス様は、本当の神様の国をすべての人に知らせるために、神様の所から私たちの所に来てくださいました。だから、イエス様と出会った私たちは、もう神様の国の入り口に立っています。イエス様のお話を一つ聞くたびに、一歩ずつ神様の国に入っていくのです。

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牧師 三原 信惠
 更新:2022.4.8 by nk

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