主日礼拝 説教抄録  2021年度
    
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      降誕前第6主日礼拝  説教「神さまを賛美しよう」

                日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                       2021年11月14日

  ルカによる福音書 第17章11節~19節

「神さまを賛美しよう」 要約
① イエス様と重い皮膚病の人
 イエス様がある村に入ろうとした時、遠くの方から「イエス様~、私たちを憐れんで下さい~」という声が聞こえた。彼らは重い皮膚病に苦しむ人たちで、誰かにうつすといけないので、他の人に近づいてはいけないと言われていた人たちだった。イエス様は彼らの声を聞くと、彼らのことを憐れに思って、「祭司たちのところに行って体を見せなさい」と言い、十人は急いで祭司のところに行った。ところが、祭司のところに行く途中、彼らの病気が癒されたことが分かった。その癒された十人のうちの一人だけが大声で賛美しながら戻って来て、イエス様の足もとにひれ伏して感謝した。この人は、異邦人のサマリア人だった。イエス様は異邦人の一人しか神様を賛美するために戻ってこなかったことに驚いた。イエス様は十人のみんなに神様を賛美してほしかったからだ。みんなは教会に来て神様を賛美できて感謝だね。新型コロナウイルスのせいで、去年の一時期、教会に集えない人もいたけど、感染対策を行って、神様を賛美できて本当に良かった!
ヘンデルの「メサイア」
 1685年2月23日に生まれたヘンデルは幼い時から音楽の才覚を現し、オペラ作家になった。イタリアを経て、イギリスで売れっ子になった彼は52歳の時に脳溢血で倒れ右半身不随という致命的な病に至ったが奇跡的に健康を回復し立ち直った。それも束の間、今度は彼の後見人であった王妃キャロラインの突然の死により借金はかさみ、サロンから締め出され、彼の道は様々な所で封鎖されてしまった。もはや頼る者もなくて、うめくように祈っていた時、詩人ジンメスから新作のオペラ「ザ・メサイア」の台本が送られてきた。1741年8月21日のことである。「慰めよ」というイザヤ書40章1節の言葉から始まって、聖書の言葉をつづり合わせ、「キリストは、我らの苦しみを担って十字架につけられたが復活されて勝利された…キリストこそ“王の王、主の主”と歌われている歌詞に、体が震えるほど感動した。それから24日間、彼は夢中になって作曲にかかり9月14日に完成させた。この「メサイア」の作曲がヘンデルの復活となったのだ。
③ 神さまを賛美しよう
 ヘンデルは1759年4月13日に天に召されたが、その日はちょうど22年前に脳溢血で倒れた日であり、イエス様が死なれた日でもあった。「メサイア」がどうしてあれほど人々の心を打つのか、私たちには、その理由が分かると思う。作曲者自身、キリストの復活の信仰に歓喜しているのだ。今朝のテキストに登場したサマリア人は、最初、彼が重い皮膚病であるがために、イエス様に近づくことができなかった。が、イエス様によって、重い皮膚病という不治の病が、全く思いがけないことに、癒されるという奇跡が自分の身に起こったので、彼は「イエスの足もとにひれ伏して感謝した」(16)。イエス様の近くに来ることができた。そして最後に、イエス様は足もとにひれ伏すサマリア人を立ち上がらせた。「あなたの信仰があなたを救った」という力強い言葉を頂けたのだ。イエス様が奇跡を起こすのは、奇跡を体験した人や奇跡を見た人が神様を賛美するようになるためだ。神様を賛美することは、病気を癒す奇跡よりも凄い!希望のない生活から、神様の支配なさる歓喜の生活へと復活させて頂ける。我々も復活するのだ。死んでからだけでない。この世の生活においても復活するのだ。ヘンデルと一緒に神さまを賛美しよう。ハレルヤ!

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日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2021.11.13 by nk

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