主日礼拝 説教抄録  2021年度
    
印刷用PDF


    聖霊降臨節第2主日礼拝 説教「幸せになろうよ」

                日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                       2021年5月30日

 マタイによる福音書 第5章1節~3節

「幸せになろうよ」 要約
① 「幸せ」は神様からの贈り物
 イエス様はガリラヤ湖の北岸カファルナウムから斜面をのぼった所で、弟子たちと群衆に八つの垂訓をなさいました。今、山上での垂訓を記念して「八福歌」という八角形の美しい教会が建っています。内部も八角形の辺にあたる所に一つ一つの「幸い」がラテン語で記されています。「山上の垂訓」は、不可解な要求や脅しではなくて、神様からの「幸せ」という贈り物、主に従う者への「祝福」です。故に、この建物は「祝福の教会」と呼ばれています。さてヒルティは幸せになるための要因を四つ挙げます。「健康」「一生を投じて悔いない仕事」「良き結婚」「確固たる人生観」。この世には矛盾があり、悪が栄え、不法がまかり通る事もあり、不平等がある。信仰なしには難しいと述べ「あなたの道を主に任せよ」、その生涯はたとえ辛苦と勤労であっても尚「幸せだった」と造り主を賛美できる。これが「最高の幸せ」と付加しています。
ヘレン・ケラー(1880年~1968年)は不幸?
 目が見えず、耳が聞こえず、口がきけないヘレン・ケラーは並外れた努力で「三重苦」を克服し、ハーバード大のカレッジの一つラドクリフ女子大に進み、在学中に自伝を著わして“三重苦を克服した障害者”として有名になりました。彼女の顕著な働きは自らの生き方を示す事で障害者に希望と感銘を与えた事、障害者に対する周囲の認識をぬぐい去り、彼らも普通の社会生活を送れる事を示した事です。彼女にできなかった事があります。結婚できなかったのです。彼女も一度だけ恋に落ちました。「ヘレン・ケラー結婚へ」1916年11月18日、米ボストンの地方紙は有名人の結婚話を取り上げました。ヘレン36歳の初恋!花婿はヘレンの秘書で元新聞記者ピーター・フェイガン29歳。だが家族に反対され、駆け落ちまで企てるも断念!死ぬまで独身を通してワシントン国立大聖堂に埋葬されました。彼女は不幸だったのでしょうか。
③ 幸せになろうよ
 ヘレンは自伝で書いています。「短命に終わった恋は暗い海に浮かんだ歓喜の小鳥として、私の生涯にいつまでも残る事でしょう。愛され、求められた経験が持てただけで、私は幸せ!」。障害を持つと不幸だと思っている人が大勢いるのに、ヘレンは「私は幸せ!」と主を賛美しています。今朝、イエス様は凄い事を言われました。「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである」。貧しいから不幸だと思っている人が大勢いるのに。でもイエス様は天の国は貧しい人のものだからと、その理由を言われました。天の国とは、死んでから行く所ではなく、神様の支配、働きかけの事です。つまり、神様が貧しい人や弱い人、苦しんでいる人、悩んでいる人の側に立って働いておられるから幸いだと言うのです。貧しいより豊かな方が生活は楽かも。知らないより沢山の知識を知っている方が有利かも。出来ないより出来る方が快適かも。助けられるより助ける方が気持ちいいかも知れません。しかし、神様が貧しさや無知や出来ない事の中で働いておられるのです。豊かになって神様の働きが分からなくなるのなら、貧しくても神様の働きを感じ、感謝と希望をもって生きる方がいいし、幸せではないでしょうか。ありのままの自分を肯定して、幸せになろうよ!

〒253-0006 神奈川県茅ケ崎市堤19-6
TEL/FAX 0467-54-1300
日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2021.5.29 by nk

Copyright 2010 Chigasaki Tutumi Dendosho  All Rights Reserved