主日礼拝 説教抄録  2021年度
    
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      復活節第5主日礼拝 説教「喜びを伝えよう」

                日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
                       2021年5月2日

 マタイによる福音書 第4章12節~17節

「喜びを伝えよう」 要約
① ガリラヤ伝道の開始
 マタイは15~16節でイザヤ書8章23節~9章1節を引用し、イエス様の到来が預言されていることを強調します。ガリラヤは前8世紀にアッシリアによって征服されて以来、複数の国家が入れ替わり立ち替わり支配した土地です。そうした中で複数の民族が居住し、人種、宗教、文化が混ざり合っていきました。イエス様の時代もその要素が残っていたとされます。そのガリラヤの活動は、「ユダヤ人」から「異邦人」へという福音の方向性を表すものです。「暗闇」(16)とは霊や心が暗くなっている状態を指す言葉でもあります。「光」は「暗闇」と対立するものであり、「救い」を表すものです。「天の国」(17)の「天」は、人間を超えた所にあるものであり、神の支配を表します。またこれは神の独自性と自由も表します。「悔い改め」とは、私たちの生の全体的方向転換であり、神と人との関係を問い直し、再び結ぶことです。ここでは天の国が近づいたことによる悔い改めの勧め、救いの現実、その喜びの行為が、悔い改めとなることを示しています。
伝道って何?
 「伝道」というのは簡単に言うと、大切なことを伝えることです。どんな大切なことかというと、みんながうれしくなることや楽しくなること、明るくなることです。聖書の中には沢山、そのためのイエス様のお話が書いてあります。だから教会では、聖書のお話を伝えるのです。では、イエス様のお話をどんな人が喜んだのでしょう。今朝の箇所には「暗闇に住む民」や「死の陰に住む者」とあります。私たちは、弱って元気のない時のことを「暗闇」と言います。不安になって、落ち込んだりする時のことを「死の陰の谷」と言ったりします。明るく元気いっぱいの時は「光」輝くのです。この「光」はイエス様のことです。落ち込んで不安になって、元気がない人をイエス様が「光」になって、明るく元気にしてくれるのです。イエス様は落ち込んでいる人たちに「大丈夫!一緒にいるよ!あなたが大事だよ!」と励ましました。そういうイエス様の言葉、元気のない人に勇気を与え、悲しい人が喜びに変わるイエス様の言葉を伝えることが伝道です。
③ 喜びを伝えよう
 イエス様はガリラヤという場所で神様のことを伝えました。エルサレムのような大きな町で暮らす人からは、ガリラヤは淋しい場所だと思われていました。でもイエス様はそういうガリラヤに生きる人を大事にされたのです。イエス様はそのガリラヤで「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言われました。「悔い改める」という言葉を聞くと、何だか謝まったり、反省しなければいけない言葉に聞こえるかも知れません。けれど、そうではありません。では、どういうことでしょう。「悔い改める」とは、「向きを変える」ということです。どんなに速いバスに乗っても、行き先が違ったバスに乗れば、行きたい所には着きません。「行き先の違うバスに乗ってしまった」ということに気づいた時、最も大切なことは、そのバスから降りて、正しい行き先のバスに乗り換えることです。つまり、「悔い改める」ということは、私たちが「変わる」ということです。イエス様は、神様に背を向けた道を進む人たちに、「悔い改めよ(向きを変えよ)」と言って、神様への道に戻るように呼びかけて下さいました。あなたはイエス様に出会ったうれしい出来事を沢山の人に聞いてほしいと思いませんか?1人でも多くの人に喜びを伝えることができるといいですね!

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日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2021.5.1 by nk

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