主日礼拝 説教抄録  2019年度
    
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受難節第3主日礼拝 説教 「床をかついで歩きなさい」

日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2020年3月15日

   ヨハネによる福音書5章2~9節a


「床をかついで歩きなさい」 要約
① 過去・現在・将来に関する「三つの勧め」
 38年の間、床に釘づけになっていて、起き上がる事ができず、ただ「恵みの家・祝福の場所(ベトザタの池)」に来ているだけの人に、主は、「起き上がりなさい」「床を担ぎなさい」「歩きなさい」と勧めました。「起き上がりなさい」というのは、眠いのを起こされる事ではありません。これまで長い間、安住してきた生活から「離れて、自立しなさい」という意味です。人さまに頼って「池に入れてくれない」「…してくれない」と不平不満、愚痴だらけの“くれない族”の生活から、「責任ある大人になる」ことを勧めているのです。「床を担ぎなさい」の「床(クラッパトス)」は簡単に折りたたんで持ち運べる<簡易ベッド>の事です。イエスは、床を<捨て去れ>とは命じていません。過去のどの苦労も、回り道と思える体験も、主にあって無駄なものはないのです。現在は重くて辛いけれど、それを「担いで持ち運びなさい」。将来、誰かのために何か「役に立つ」と。「歩きなさい」は、神を信じて、主と共に歩くならば「望むことは成就する」という約束です。
② 出会いの神秘
 最高の「出会いの神秘」は、ベトザタの池の周りにたむろしていた病人と主イエスとの出会いです。主は長年、床にしがみついていた人を「起こし」、その人に価値を与え、有意義な生を歩む者とされました。最初「池に入れてくれる人がいません」と不平を言っていた人が、主イエスとの「出会い」によって、人生がキラキラと明るく輝きました。その人が主イエスを神から遣わされた救い主(キリスト)として受け入れたからです。私たちも、恵みの家・祝福の場所である茅ケ崎堤伝道所に呼び集められて今、主の語る「起き上がりなさい」「床を担ぎなさい」「歩きなさい」の勧めを聞きました。神はあなた方一人一人に「大丈夫!あなたなら出来る!あなたの人生、意味がある!生きなければならない」と鼓舞し、あなたの歩む方向を示しておられます。それは自分が獲得したというよりも、神から与えられた尊い贈り物です。私たちは信仰によって、全能の神と共に歩む生活者として永遠の命の息吹に生かされるのです。何という幸いな事でしょう。
③ 床をかついで歩きなさい
 神はあなたに、必要な時、必要な出発をさせて下さいます。希望をもって踏み出す一歩を下さいます。苦しくても歩み通す勇気も下さいます。だから、「床をかついで歩きなさい」と言われる主のお言葉に素直に「そうさせて下さい」と応えようではありませんか。今日の一日は神があなたに与えて下さった命です。「私に与えられた命だから」、「私が背負うべき人生だから」、「どうか今日も生かして下さい」、「どうか今日も用いて下さい」と応えて歩んで行こうではありませんか。私たちは一つになって「今日を精一杯、与えられたこの道を進めますように」と祈りつつ進みましょう。神は私たちに新しい国を下さいます。私たちは息を吹き返し「あぁ生かされている」と実感し、再び「起き上がり」「立て直し」、自分の道を「たどり直し」、ひとすじの道を共に歩んで行けるのです。自分の歩んできた道を振り返ると、いつも迷っていました。しばらく、たたずんで一歩も歩けない日がありました。分かれ道で、どの道を選ぶか決心が出来ないまま、ようやく歩き出して、結局、またもとの道に返ってきた事もありました。が、今、新しい道を知りました。主を信じて歩く確かな道を見出しました。元気を出して、さぁ、ご一緒に歩んで参りましょう!

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日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2020.3.15 nk


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