主日礼拝 説教抄録  2019年度
    
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聖霊降臨節第3主日礼拝 説教 「主に従う婦人たち」

日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2019年6月23日

    箴言3章1~12節 ルカによる福音書8章1~3節

「主に従う婦人たち」 要約
① 主イエスの宣教に同行した女性たち 
 主イエスは、4章43節において、ご自分が神から遣わされた目的が「神の国を宣べ伝える」事にあることを言明され、巡回伝道に赴かれました。ここ1節aはそれを具体的に示したものです。イエスの巡回伝道には12弟子だけでなく多くの女性たちも同行しました。男性、即ちイエスに従えとの呼びかけに聞き従った弟子たちは、その瞬間から収入源がなくなりました。同時に、主に従ってガリラヤを巡り行き、町々村々の主の説教と癒しの証人である事は不可能になりました。レビは、ヘロデ・アンティパスの領地で徴税の仕事をしていたので、カファルナウムの自分の事務所に縛り付けられていたし、他の弟子たちにしても、どんな職務、どんな職業にあったにせよ、同じ事でした。師同様、弟子たちは皆、貧しかった。主は今後の生活費のことを考える事を一切しない方です。婦人たちの助けが必要不可欠でした。主ご一行はご自分が病気をお癒しになった女性たち、あるいは悪霊を追い出された女性たちの小グループに生活の一切を支えられたのです。
②マグダラのマリア、クザの妻ヨハナ、スサンナ他、
 多くの婦人たち
 毎日の生活を支えた女性の三人の名前が記されています。マグダラ(塔、城。ゲネサレ湖西岸の漁村)のマリア。彼女は「七つ(完全数)の悪霊を追い出して頂いた」とあるように、悪霊に全く自由を奪われ、暗くみじめな生活に陥っていた社会的には庶民層に属する悪名高き女です。「クザ(=壺)の妻ヨハナ(=主は恵み深い)」。彼女の夫クザは「ヘロデの家令」、ガリラヤの国王ヘロデ・アンティパスの財政を司る役人として王の信任を得た重要な役職についており、社会的な地位も高く、経済的にも豊かな婦人でした。「スサンナ(=百合)」については、名前以外に何も分かりません。その他にも無名の婦人たちが一緒にいて、自分たちの持ち物をもって一行に奉仕しました。彼女たちは主に救われた喜びと感謝から喜んで巡回伝道を共にしました。もはや男女の別、上下の別なく、あらゆる階層にわたって恵みとなりました。かくて福音は当時の封建的な因習を破り、差別や偏見を超えて展開しました。福音が語られる所、新しい事態が生まれたのです。
③ 主に従う婦人たち
 主イエスの巡回伝道は、勿論、主イエスと使徒と呼ばれる12人の弟子たちによってなされ、それ事が、宣教の働きの中心であった事は、言うに及ばない事です。が、それは、言ってみれば“氷山の一角”です。水面上に現れている部分は全体の約7分の1に過ぎない、ごく一部分です。大部分(7分の6)は、主イエスに従う婦人たちの“縁の下の力持ち”的な働き(人目につかない所で努力する業)によって、巡回伝道が支えられ、進められて行ったのです。彼女たちはどんなに貧しくても、どんなに悩み多くても、主と共にあることができ、主の十字架の恵みと喜びの力に生きることができ、主の甦りの勝利に与ることができる事を喜んだのです。毎日の食事作りやその世話、主と弟子たちの汚れた足を洗い、衣類を洗濯する事、寝床を清潔に整えること等々。それが上からの押しつけではなく、自らすすんで、心からそのようにして、主と弟子たちの働きを助けたのです。この主に従う婦人たちの思い、恵み、力は、私たちにも受け継がれています。私たちの業は大海の一滴にしか過ぎないかも知れません。が、一人一人のささやかな業が集まって、今ここに堤伝道所があります。更なる主を愛する思いをもって、教会に仕えて参りましょう!

〒253-0006 神奈川県茅ケ崎市堤19-6
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日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2019.6.23 nk



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