主日礼拝 説教抄録  2019年度
    
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復活後第2主日礼拝 説教 「豊かな人生」

日本キリスト教団茅ケ崎堤伝道所
2019年4月28日

  詩編23篇1~6節  ルカによる福音書24章13~35節

「豊かな人生」 要約
① エマオへの旅人 
 今朝の聖書は二人の「暗い顔」が変えられる話です。キリストの復活が伝えられた日の午後、エルサレムから10キロ余り離れたエマオという村に向かって行く二人の旅人がいました。二人は何事か声高く語り合い、論じ合っていました。そのひとり「クレオパ」の言葉によれば、彼らは主イエスの十字架の死に失望落胆し、その復活の報に「信じられない」と言って、「暗い顔」で論じ合っていたのです。十字架と復活こそ福音の中心ですのに、昔も今も人間の中に疑惑があり、躊躇があります。やがて復活のキリストご自身がこの二人に加わり、旅が続けられていきます。信仰者は旅人ですが、決して孤独のさすらい人ではなくキリストと共に「同行二人」の巡礼です。が、このエマオへの旅人は共に歩かれるイエスを見る事が出来ません。議論ばかりしていて、すぐ側におられるキリストが見えません。主イエスが死なれた事で失望落胆のあまり、復活の主を信じられずにいるのです。だがこの二人は、霊の導きによって、不思議なキリスト体験をします。
② 不思議なキリスト体験
 第一に、「道で話しておられる時、又聖書を説明して下さった時、私たちの心は燃えたではないか」という体験です。議論を止めて、キリストが語られる言葉に耳を傾ける事を通して、キリストを体験する事ができます。理性や学問で真理を研究するのでなく、キリストに聴き従うのです。第二は、「パンを取り、祝福してパンを裂き、彼らに渡しておられるうちに、彼らの目が開けて、イエスであることが分かった」という経験です。洗礼を受けて聖餐に与る事が、キリストを体験する近道です。信仰をもって聖餐に与る者は、聖霊の助けによって、キリストと一体にされ、そこでこそ霊眼が開かれるような飛躍を経験します。エマオ途上、この弟子たちは、熱心に議論しても分かりませんでした。しかし、キリストの言葉を聴いていた時、主の裂かれたパンを受けた時、はじめて復活の主を体験する事ができました。私たちも「しいて引き止めて…一緒にお泊まり下さい」と主に求めましょう!常に「主よ、共に宿りませ」と主と共にある事を願いましょう!
③ 豊かな人生
 ♪日暮れて四方は暗く…主よ、共に宿りませ♪ これはドイツの牧師、クリストフ・ブルームハルト著『夕べの祈り』の、人生の黄昏を迎える信仰の歌です。皆が、やがて迎える黄昏です。この二人の弟子、ご夫婦も、我が家に帰りながら、たった二人だけで食事をし、わけの分からない甦りの事実に途方に暮れるより、今その事柄を明らかにし始めて、自分たちの心を燃やし始めているこの方と共に食事する事を願った。クレオパの妻が旅の疲れもいとわず大急ぎで用意した食卓で、主イエスが祝福なさり、パンを裂く姿に、開眼します。「すると、御姿が見えなくなった」。主イエスの存在がなくなったのでなく、居続けて下さる。そして私たちとも共に。主にお会いした後、すぐ立ってエルサレムに引き返します。夜道です。ここへ来る時は、明るい日の光の中で、その光を見る事もできない「暗い顔」で歩いた道を、夜には、燦々と光輝く思いで、エルサレムに走り帰って行く。ここに教会の姿があります。主によって開眼した人生は、自己中心の人生ではなく、愛神愛人に生きる人です。長い病気で寝たきり、何もできないのではなく、人の為に祈り続けて暮らす人、何よりも「豊かな人生」を歩む信仰の人です。明るく輝いて生きましょう!

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日本キリスト教団 茅ケ崎堤伝道所
牧師 三原 信惠
 更新:2019.4.28 nmk



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